2012 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡リソグラフィー法によるグラフェンのバンドギャップ制御に関する研究
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23710155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増渕 覚 東京大学, ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構, 特任助教 (50596195)
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Keywords | グラフェン / 酸化グラフェン / バンドギャップ制御 / 原子間力顕微鏡 / 陽極酸化法 |
Research Abstract |
本研究では、AFM陽極酸化法を利用して、グラフェン中にバンドギャップを導入する技術の確立に取り組んだ。その結果、(i)AFM陽極酸化法による酸化グラフェン生成、および(ii)グラフェン細線構造によるグラフェンのバンドギャップ制御に成功した。 (i)シリコン基板上に形成されたグラフェンに、AFMカンチレバーを接触させ、カンチレバーに負の電圧を印加し、グラフェン表面に吸着している水分子が電界により電離させ、陽極酸化反応によりグラフェンを酸化した。カンチレバーを空間掃引することによりグラフェン/酸化グラフェン/グラフェン接合素子を作製した。素子の電子輸送特性を測定したところ、非線形な電流―電圧曲線とともにΔVSD = 3 V程度の電流抑制領域を確認した。金属/半導体/金属接合が実現したことを意味する。さらに、カンチレバーへの印加電圧を変調したところ、電流抑制領域の幅が系統的に変化した。酸化度を変化させ、グラフェン/酸化グラフェン/グラフェン接合素子のトランスポートギャップを調整することに成功した。酸化グラフェンの酸化度がカンチレバー印加電圧とともに変化することは、ラマン分光・オージェ電子分光法によっても確認した。 (ii)酸化グラフェンナノ構造により、グラフェンを局所的に絶縁化することで、幅10nm程度の超微細グラフェン細線素子を作製した。作製した細線素子には、トランスポートギャップが形成され、ゲート電圧を印加しない状態でコンダクタンスがゼロに抑制された。ゲート電圧を印加すると、電界効果によりコンダクタンスが増大し、スイッチング動作の実証に成功した。
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Research Products
(10 results)