2013 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノディスクペアの局所表面プラズモン共鳴を利用した光計測型応力センサの研究
Project/Area Number |
23710156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅 哲朗 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (30504815)
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Keywords | ナノ粒子 / 局所プラズモン / MEMS |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までの円形タイプの粒子形状をロッド形状に変更し、散乱特性の計算による検証と散乱スペクトル計測による実験的検証を行った。 長さ120nm、幅50nm、高さ50nmの寸法を持つロッド形状に関して散乱計算を行った。線偏光入射方向がロッドの長手方向と平行の場合と直交する場合を比較すると、電磁波が感じる粒子サイズは前者の場合は120nmであり、後者の場合は50nmとなることが定性的にいえる。これにより、単一のナノ粒子の線偏光入射方向に関する共鳴散乱のコントラスを大きく高められる。つまり、入射線偏光方向がロッドに平行のときは大きな散乱が得られるが、直交する場合には無視できる程度の散乱強度が得られることを意味する。多軸センサを作るためには、1μm程度の寸法内に複数の軸に対応した粒子ペアを複数個配置する必要がある。読み出したい軸方向の応力のみを計測するためには、他の軸に起因する散乱信号の混入を防ぐ必要がある。ロッドの入射線偏光方向とロッド長軸が成す角度に依存した高コントラストな特性を利用することで、ある軸の散乱光を読みだしているときには、他の軸からの散乱は無視できる強度となる。つまり、粒子ペアが近接して複数存在していても、単一の方向に沿った応力のみを検出可能であることが示された。 このロッド型の粒子を電子線直描技術を用いて製作した。製作精度の限界のため、ロッドの寸法は長さ140nm、幅79nm、高さ50nm程度となり、ギャップは20nm前後でばらつきが見られた。この粒子ペアをPDMS上に転写して散乱光を計測し、円形タイプのときと同様に一軸応力計測が可能であることを確認した。また、長軸方向が直交する二つの粒子ペアが1μmの距離に近接して存在した状況で散乱計測を行った。このとき、非計測対象となる軸の粒子ペアからの散乱光混入は見られず、計算結果の正しさが実験的に裏付けられた。
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Research Products
(1 results)