2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23710164
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北原 知就 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (10551260)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 平均分散モデル / 線形計画問題 / 内点法 / 単体法 / 理論的反復回数 |
Research Abstract |
1. 平均分散モデルの解とモデルパラメータの関係について平均分散モデルを用いてポートフォリオを決定するには,資産の収益率の平均ベクトルと分散共分散行列の2つのパラメータが必要になる.これらはサンプルから推定する必要がある.一般に,パラメータの推定値を使って得られたポートフォリオは,真のパラメータを使って得られるポートフォリオに比べ,性能が劣る.これを定量的に分析した研究はあまりない.本研究では,収益率が多変量正規分布に従っていると仮定することで,上記の事実を定量的に分析することができた.2. 線形計画問題に対する内点法の理論的性質の解析 線形計画問題は数理計画問題の基礎をなす問題で,内点法は線形計画問題に対する効率的な解法の一つである.線形計画問題は,制約行列,制約ベクトル,目的関数ベクトルによって記述される.本研究では,予測子-修正子内点法の理論的反復回数が,適当な仮定の下で目的関数ベクトルによらない多項式オーダーであることを初めて証明した.3. 線形計画問題に対する単体法が生成する基底解の個数の上界について(*3は申請書に明記していないが,多期間計画問題に対する効率的アルゴリズムの開発という目的に資すると考え,実施した) 単体法は線形計画問題に対するもう一つの効率的な解法である.その効率性にも関わらず,単体法の反復回数に関する理論的研究はあまり行われてこなかった.本研究では,単体法によって生成される基底解の個数の上界を明示的に示した.この上界は,適当な仮定の下で反復回数の上界となる.このような結果はこれまで知られていない重要なものである.以上の結果,および関連する結果をまとめた論文を複数発表し,また国内外の学会で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した計画にほぼ従っている.しかし,数値実験の実施ができておらず,次年度の課題としたい.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は主に理論面での研究を行った.次年度はその知見を元に,数値実験やアルゴリズムの開発など応用面での研究を充実させたいと考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度は理論研究が中心のため物品購入を見送ったが、次年度は計算機を購入し研究を進めていく予定であり,それを踏まえて次年度の使用計画は以下の通りである.1. 数値実験実施のためのコンピュータ等ハードウェアの購入2. 情報収集と研究成果の発表を行うための国内外への学会への参加3. 書籍等の購入
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