2011 Fiscal Year Research-status Report
国際物流における航空輸送ネットワークの最適化に関する研究
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23710167
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
渡部 大輔 東京海洋大学, 海洋工学部, 准教授 (30435771)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 航空輸送 / 航空貨物 / 施設配置問題 / ハブアンドスポーク |
Research Abstract |
近年,新興国を中心とした経済発展により,東アジアでの物流が活発化している中,国際物流における我が国の空港の地位は大幅に低下している.本研究では,国内・国際の航空輸送のデータベースを構築した上で,都市工学で研究が進められているハブ最適配置モデル,交通網最適化モデルを用いて,航空輸送ネットワークの最適化モデルを構築することを目的とする.まず,国内貨物輸送を対象として,「国内航空輸送データベースの構築」「国内空港立地の評価」を行う.そして,国際貨物輸送を対象として,「国際航空輸送データベースの構築」「航空貨物ハブ施設配置最適化」を行う.最後に,「国内・国際航空貨物ネットワーク形態最適化」を行うことで,運行頻度を取り入れた待ち時間も含めた総輸送時間を最小としたモデルを開発する.更に,輸出入シナリオ分析による国内ハブ配置の評価を行うことで,国内の工業・商業との連携を考慮した国内・国際航空ネットワーク及び最適な貨物ハブ配置について検討を行う.本年度は,国内貨物輸送を対象として,「国内航空輸送データベースの構築」「国内空港立地の評価」を行った.国内航空輸送として,航空輸送統計(各年度),工業統計(平成19年度,産業別1kmメッシュデータ),商業統計(平成19年度,産業別1kmメッシュデータ)などの国内航空輸送関係の統計データをデータベースとして構築し,地理情報システム上に図化した.さらに,各空港を対象として,空港を中心とした一定距離内における人口,工業,商業の規模を算出し,減衰曲線を比較することで,空港立地の特性を比較した.また,貨物取扱量との比較を行い,航空貨物が活発に活用されている空港を抽出し,活用策の政策提言を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記述した内容について,予定通りの成果が出ているため.
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Strategy for Future Research Activity |
・国際航空輸送データベースの構築:国際航空貨物動態調査(平成19年度),国際民間航空機関(ICAO)航空統計データ(各年度),同空港統計データ(各年度)など国際航空輸送関係の統計データをデータベースとして構築し,地理情報システム上に図化する・航空貨物ハブ施設配置最適化:航空貨物輸送については,これまでに開発した一般化ウェーバーモデルを拡張し,国内,国際の航空輸送とともに,旅客便(ベリー貨物室),貨物便(専用機貨物室)の利用を考慮する必要があるため,これまでに開発した貨物ハブ立地モデルを拡張し,アメリカやヨーロッパへの大陸間移動のODペアも考慮したモデルを開発する.・国内・国際航空貨物ネットワーク形態最適化:これまでに開発した交通網最適化モデルを拡張し,運行頻度を取り入れた待ち時間も含めた総輸送時間を最小としたモデルを開発する.主に夜間を対象としたアジア発着の貨物直行便をネットワークに加えた場合のシナリオ分析を行うことで,我が国国内線との接続を含めたハブ拠点立地の可能性について検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際航空輸送データベースの構築のために,各種機関より発行されている統計データとともに,データベースを管理する高性能サーバを導入する.そして,昨年度の研究成果を発表するために,国際会議の出張旅費を計上する.
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