2012 Fiscal Year Research-status Report
国際物流における航空輸送ネットワークの最適化に関する研究
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23710167
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
渡部 大輔 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (30435771)
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Keywords | 航空輸送 / 航空貨物 / 施設配置問題 / ハブアンドスポーク |
Research Abstract |
近年,新興国を中心とした経済発展により,東アジアでの物流が活発化している中,国際物流における我が国の空港の地位は大幅に低下している.本研究では,国内・国際の航空輸送のデータベースを構築した上で,都市工学で研究が進められているハブ最適配置モデル,交通網最適化モデルを用いて,航空輸送ネットワークの最適化モデルを構築することを目的とする. まず,国内貨物輸送を対象として,「国内航空輸送データベースの構築」「国内空港立地の評価」を行う.そして,国際貨物輸送を対象として,「国際航空輸送データベースの構築」「航空貨物ハブ施設配置最適化」を行う.最後に,「国内・国際航空貨物ネットワーク形態最適化」を行うことで,運行頻度を取り入れた待ち時間も含めた総輸送時間を最小としたモデルを開発する.更に,輸出入シナリオ分析による国内ハブ配置の評価を行うことで,国内の工業・商業との連携を考慮した国内・国際航空ネットワーク及び最適な貨物ハブ配置について検討を行う. 本年度は,国際航空貨物輸送を対象として,「国際航空輸送データベースの構築」を行い,国際航空貨物動態調査(平成19年度),国際民間航空機関(ICAO)発表の航空統計データ(各年度),同空港統計データ(各年度)など国際航空輸送関係の統計データをデータベースとして構築し,地理情報システム上に図化した.さらに,アジアの主要空港を対象として,最近10年間の空港間において貨物流動量の統計に基づき,短期的な変動とともに,回帰分析により各空港間の長期的な変動の傾向を把握した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記述した内容について,予定通りの成果が出ているため.
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Strategy for Future Research Activity |
・空港間の航空貨物流動量の把握:欧米を含めた主要空港を対象として,空港間において貨物流動量の統計に基づき,短期的な変動とともに,回帰分析により各空港間の長期的な変動の傾向を把握する. ・航空貨物ハブ施設配置最適化:航空貨物輸送については,これまでに開発した一般化ウェーバーモデルを拡張し,国内,国際の航空輸送とともに,旅客便(ベリー貨物室),貨物便(専用機貨物室)の利用を考慮する必要があるため,これまでに開発した貨物ハブ立地モデルを拡張し,アメリカやヨーロッパへの大陸間移動のODペアも考慮したモデルを開発する. ・国内・国際航空貨物ネットワーク形態最適化:これまでに開発した交通網最適化モデルを拡張し,運行頻度を取り入れた待ち時間も 含めた総輸送時間を最小としたモデルを開発する.主に夜間を対象としたアジア発着の貨物直行便をネットワークに加えた場合のシナリオ分析を行うことで,我が国国内線との接続を含めたハブ拠点立地の可能性について検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際航空輸送データベースの構築のために,各種機関より発行されている統計データを引き続き購入する. そして,昨年度の研究成果を発表するために,国際会議の出張旅費を計上する.
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