2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23710174
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 朗子 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (80361799)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | ロバスト最適化 / リスク尺度 / 統計的学習 / サポートベクターマシン / ポートフォリオモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,数理最適化・金融工学・統計的学習の三つの分野の複合領域を開拓することを目的としている.本年度は,主に下記の研究を行った. (1)一般化したリスク尺度に基づくポートフォリオ最適化法 近年,ポートフォリオ最適化モデル構築の際のリスク尺度としてConditional Value-at-Risk (CVaR)が広く用いられている.本研究では,CVaRを含む広いクラスのリスク尺度であるコヒーレントリスクを用いた最適ポートフォリオモデルを検討した.このモデルはmin-max問題で記述され,確率分布が不確実なロバスト最適化モデルとして見なされる.具体的には,確率分布集合を変えることで,コヒーレントリスクは,CVaRのみならずより広いクラスのリスク尺度を表現できる.一方で,min-max問題の定式化は扱いにくく,この定式化のまま最適解を求めることはあまり試みられていなかった.そこで,first-order methodと呼ばれる最適化手法を用いて,アルゴリズムを考案した.数値実験を通して,CVaR最小化に特化した解法と比較した結果,コヒーレントリスク最小化による汎用解法(提案法)の方が,高速にCVaR最小化問題を解くことができることを確認した. (2)統一的な機械判別学習モデル 統計的学習分野で提案されている様々な判別モデルに対してロバスト最適化モデルを用いて,統一的にmin-max問題として表現できることを示した. 既存の判別手法の違いは,ロバスト最適化モデルで用いられる入力(不確実性集合)の定義に現れることを明らかにし,今まで異なる仮定や想定の元で提案されてきた判別手法の本質的な違いを明確に示した.さらに, min-max問題で記述されるコヒーレントリスク最小化モデルとの定式化を比較することにより,機械学習法と金融リスク尺度最小化モデルとの関係を明確に示した.
|
Research Products
(12 results)