2012 Fiscal Year Research-status Report
文科系学生向け経営工学学習プログラムの構築~知識と実践の結合を目指して~
Project/Area Number |
23710179
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中邨 良樹 日本大学, 経済学部, 准教授 (50365029)
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Keywords | 経営工学 / 教育工学 |
Research Abstract |
本研究では,利益率の低い企業を想定して,経営工学の主テーマである生産管理や原価管理,作業研究を文科系学生にも体験できる教育プログラムを構築する.特徴としては,理工系の実験のように,学生間でチーム制を組み,学生が持っている知識を申請者側が理解し,それを引き出す仕組みである.そして,ミニベルトコンベアーと模型自動車を使って手を動かしながら企業の実態を疑似体験させる. 本研究は3年計画の2年目が終了した.平成24年度では,「知識」を如何に企業現場・現状と関連付け,そして「手を動かしながら」学ばす仕組みを作るかが目標となる.授業での導入を目指すので,半期15週を3ステップに分けて,効率的に学ばせる方法を検討してきた.また,簡易版ではあるが支援システムを構築し,実際に学生に演習させることができた.ここから学生には検討する時間を長くでき,それが効率的学習につながることができた. より具体的には,平成24年度では,23年度に明確にした「知識」を如何に企業現場・現状と関連付け,それを「手を動かしながら」学ばす仕組みを作るかということが主としてきた.授業での導入を目指すので,3ステップに分けて,支援システムを利用しながら効率的に学ばすことを考えた. 第1ステップ(5週分)は「問題点抽出-改善案提案」として,原価低減,作業改善案を提案した.第2ステップ(5週分)では「改善案の実施」として,ミニベルトコンベアーと模型自動車を使って,工程分析,作業分析,時間研究も行った.第3ステップが25年度に実施する予定である. ここまでの成果は,25年度に学会発表や国際会議に報告する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度では,23年度に明確にした「知識」を如何に企業現場・現状と関連付け,それを「手を動かしながら」学ばす仕組みを作るかということが主とし,実際に体系化することができたと考えている.また,簡易版ではあるが,実際に授業で行うことができ,25年度に向けての課題ややることが明確になった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では,第3ステップ(4週分)の「知識の結合」の仕組み検討,システム完成,試験実施,本格実施とそれらの有効性の検証と成果発表が主となる. 「知識の結合」の方法としては,シミュレーションを通じて,知識がどのような場面や活動で利用されるのかを復習できる仕組みにしたい.なぜならば,学生の頭の整理,かつ教員側が「学んで欲しかったこと,今後役立て欲しいこと」を伝えることができるからである. システム完成後に大学院生向けに試験実施を行いたい.これは,プログラムの問題点,不足点を明確にしたいからである.それらを改善後,25年度後期に,ゼミ学生30人を対象に本格実施する. 授業本格導入後は,本プログラムの有効性と問題点を把握するためにアンケートを行いたいと考えている.現段階で検討している質問の概要としては,①学生が持つ知識と実践との関連が理解できたか,②改善活動が企業活動や財務活動に与える影響が理解できたか,③支援システムの利便性や視覚効果,などである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算の計上項目としては,主に国内学会及び国際会議などへの成果発表である.それらに参加・発表し,学識者のみならず,企業研究者からも意見を頂き,研究及びシステムのさらなる精緻化をはかる予定である.
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