2012 Fiscal Year Research-status Report
汎用性の高いスケジューリング最適化エンジンの設計と開発に関する研究
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23710181
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
野々部 宏司 法政大学, デザイン工学部, 准教授 (40324678)
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Keywords | 資源制約付きスケジューリング / 汎用アルゴリズム / 局所探索法 / メタヒューリスティクス / 組合せ最適化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現実社会に現れる種々のスケジューリング問題に適用できる汎用性の高いスケジューリング最適化エンジンを開発することである。汎用性を維持しつつ、問題構造や問題規模、ユーザの設定した計算時間に応じた精度の解を安定して出力できることを目指す。 本年度は、昨年度に引き続き、拡張RCPSP(Resource Constrained Project Scheduling Problem,資源制約付きスケジューリング問題)モデルに対するアルゴリズムの構築を進めた。このモデルの主な特長は以下のとおりである。 (1) RCPSPにおいて、資源は作業によって消費されるものとして通常定義されるが、本研究においては、消費されるだけでなく作業によって生成され得るものとして定義している。さらに、資源の一般化として「状態変数」という概念を導入し、「状態」によって処理可能な作業が制限されたり、作業の処理によって「状態」が変化したりする状況を記述できるようにしている。 (2) 互いに関連し合う複数の小作業を1つのまとまった作業として定義できるようにしており、その処理モードを指定することで、複数作業からなる工程の代替工程を扱うことなどができるようにしている。 (3) 作業を早く完了することが必ずしも好ましいとは限らない評価基準(非正規評価基準)として、納期ずれ和最小化と資源制約違反量最小化を扱うことができるようにしている。 アルゴリズムの枠組みとしては、作業を1つずつ時間軸上に割り付けていく構築型のスケジューリングアルゴリズムを基本として、割付け順序を反復局所探索法によって改善する方法を用いている。ただし、解の質と計算時間のバランスや探索効率を考慮して、スケジュール構築の際に非正規評価基準は陽に扱わず、得られたスケジュールに対して修正を加えることで対応することとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度に実施を計画していた、解の精度を犠牲にすることで高速化を実現するアルゴリズムの設計について、詳細な検討や実装が完了していない状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きアルゴリズムの実装・改良を進めていく中で、問題例に適したアルゴリズムを自動選択する機能やパラメータの自動調整機能の実現については優先順位を下げ、アルゴリズム自体の性能・速度向上に注力していくこととする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計算機実験に利用する高性能ノート型パソコンを当初の予定よりも少ない額で購入できたため、次年度に使用する予定の研究費が生じている。この研究費については、次年度の学会参加費に充てる計画である。
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