2012 Fiscal Year Research-status Report
電気自動車の社会的普及に向けたEVステーションの整備・運用方策に関する数理的研究
Project/Area Number |
23710183
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
本間 裕大 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (40514055)
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Keywords | 社会システム / 電気自動車 / 支援ステーション / 整備方策 / 運用方策 |
Research Abstract |
本年度では,複数EVステーションの連携的整備に着目し,以下の項目に関する分析を行った.まず,都市内EVステーションの相互連携モデルについて考察した.バッテリー交換式では,各EVステーションが満充電バッテリーを在庫として用意する必要があるため,EVの普及が進み,都市内に複数のEVステーションが配置された状況では,相互に連携して在庫調整を行う可能性が高い.そこで,本年度は,この複数EVステーション間での在庫調整を明示的に考慮すべく,これまでに構築したバッテリー交換ステーションに関する安全在庫モデルを,待ち行列ネットワーク理論を用いて拡張した.その上で,充電専用施設の設置効果や,連携的な需給調整方策の提案など,その適切なる連携運用形態について明らかにした. また,高速道路網における複数EVステーションの適正配置計画にも焦点を当てた.EVが高速道路を利用する際には,長距離トリップとなることが予想されるため,航続距離の制約から複数回の給電を行う必要がある.したがって,EVが円滑に高速道路を利用し得るためには,複数のEVステーションを適切に配置する必要がある.本ポイントに関し,研究者はz変換に基づく解析モデルを提案し,EVステーションの配置と,その利用率に関する理論的関係を明らかにしている.本年度は,当該モデルを全国高速道路ネットワークへと適用し,実データに基づく解析を行った.その上で地理情報データに基づくEVステーションの適正配置案と需要予測結果を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,複数EV ステーションの連携的整備に関する分析として,(a)都市内EVステーションの相互連携モデルと,(b)高速道路網における複数EVステーションの適正配置計画について考察することを目的としていた.その両項目について,研究計画で目指したものと,おおむね近い分析を書く事実に行うことができた.特に項目(a)では,これまでに構築したバッテリー交換ステーションに関する安全在庫モデルを,待ち行列ネットワーク理論を用いて拡張することができ,また,項目(b)では,これまでに提案したモデルを全国高速道路ネットワークへと適用し,実データに基づく解析を行った.これらは最終年度の研究を遂行するためにも,極めて有益なものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度へ繰り越された研究費は,主に,平成25年度の研究遂行を見据えてのものである.実際の配分額が,応募次の研究計画書に記載した額を下回ったため,特に研究推進に最重要となる3年目以降へ予算を繰り越す必要があった.具体的には,幾つかの学会出張を所属大学内予算を用いることによって,繰り越した.本年度は,ほぼ応募次の研究計画書に記載した額と同等の予算となる.よって,社会システム工学に関する専門図書の購入による,調査・研究,実データに基づく数理的分析を行うため数理ソフトウェア・道路網データ・人口データ,ならびに得られた結果の報告や議論のための国内・海外の学会への参加・学術雑誌に投稿等に活用し,研究の推進を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
社会システム工学に関する専門図書の購入による,調査・研究,実データに基づく数理的分析を行うため数理ソフトウェア・道路網データ・人口データ,ならびに得られた結果の報告や議論のための国内・海外の学会への参加・学術雑誌に投稿等に活用し,研究の推進を目指す.
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