2012 Fiscal Year Annual Research Report
走行車両および凍結防止剤散布の影響を考慮した路面すべり摩擦予測モデルの開発
Project/Area Number |
23710191
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
藤本 明宏 独立行政法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (90456434)
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Keywords | 凍結防止剤 / 路面すべり摩擦係数 / 数値解析 / 予測モデル / 路面凍結 / 熱収支 / 通過車両 / 路面温度 |
Research Abstract |
1.研究の背景 雪国の交通安全、道路予算の縮減、沿道環境負荷の軽減等を背景に、冬期道路における凍結防止剤散布の適正化を支援するための技術は今後益々重要になる。現状は、凍結防止剤の散布内容(いつ・どこに・どれくらい)を客観的に決定するための技術が未成熟であり、作業員が主観的に散布内容を決定せざるを得ない。 2.研究の目的および概要 本研究の目的は、熱・水分・塩移動の観点から路面すべり摩擦係数(路面の滑り易さ)を予測するモデルの構築にある。本課題では、道路上の塩移動として「車両への付着塩」、「車両通過による飛散塩」、「道路勾配に伴う道路系外への排出塩」の定量的評価を行う。また、これらの知見を含めて既存モデルの改良を行い、野外試験結果との比較からモデルの妥当性を検証する。 3.最終年度の研究成果 (1)車両への付着塩:苫小牧寒地試験道路にて、凍結防止剤散布路面(氷膜路面に凍結防止剤を散布した路面)で走行試験を行い、走行車両への付着塩量を測定・評価した。(2)車両通過による飛散塩:(1)と同実験において路面上の塩量を継続的に測定することで飛散塩量を評価した。(3)道路勾配に伴う道路系外への排出塩:主に海外の文献調査を行い、道路勾配に伴う表流水流れと排出塩量のモデリングを行った。(4)モデルの妥当性検証:上記(1)~(3)を考慮してモデルを改良し、(1)と同じ実験の結果との比較を通してモデルの妥当性を検証した。その結果、路面上の水膜厚、氷膜厚、塩濃度、残塩量およびすべり摩擦係数について、計算値と実測値は概ね一致した。 4.研究期間全体の成果 氷膜路面への凍結防止剤散布に限られるが、道路上の塩移動を定量的に評価し定式化することで、世界で初めて凍結防止剤と通過車両の影響を考慮したモデルを構築することができた。今後は様々な気象条件や路面雪氷状態におけるモデルの検証を行う。
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Research Products
(1 results)