2012 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜面上における火炎および熱気流の形成メカニズムの解明と工学的モデリング
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23710196
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
今村 友彦 諏訪東京理科大学, システム工学部, 助教 (50450664)
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Keywords | 傾斜地 / 火炎 / 熱気流 |
Research Abstract |
本研究は、特に傾斜面上に形成された拡散火炎を対象として、その形状や温度・速度,周囲へ及ぼす熱流束などの、防火対策の立案上必須となる性状について、工学的な予測モデルの構築を目的とするものである。平成24年度は、平成23年度に引き続いて、火炎形状・温度・熱流束性状等を発熱速度,傾斜角度を変数として予測できるモデルの構築を目的とした実験を行った。 実験は、平成23年度に使用した装置をほぼそのまま使用した。バーナーに供給するLPGの流量をより厳密に制御するために、マスフローコントローラ(堀場エステック製)を使用した。 火炎形状を示す4つのパラメータ(火炎長さLt, 火炎付着長さLa, 火炎高さHf及び火炎傾斜角度θ2)を定義し、得られたデータをもとに、これらに及ぼす発熱速度および傾斜角度の影響について検討した。これにより、①火炎長さLtは正方火源では傾斜角度によらずほぼ一定であるが、矩形及び線形火源の場合、特に20度以上の傾斜角度の場合に、傾斜角度が大きくなるにつれて火炎長さも長くなる傾向があること、②火炎付着長さは正方火源の場合、傾斜角度のみに依存するが、矩形及び線形火源では特に傾斜角度が20度よりも大な場合で、発熱速度の影響も受けること、などを明らかにした。さらに、傾斜面上で発生した火炎の挙動を支配する無次元数Q*slopeを定義し、これにより、本実験で設定した実験条件の範囲内では、火源形状や規模によらず1つの関係で火炎高さを整理できることを示した。 温度場については、撮影した火炎画像と等温度線との比較から、火炎領域は水平面での火炎と同様に、概ね250Kの温度上昇を示す領域に一致することを示した。また、火災プルーム中心軸上の温度は、傾斜角度が大きくなるほど、温度減衰の開始点が火源中心から遠ざかる傾向にあることを明らかにした。
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