2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23710204
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 誠子 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (90555236)
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Keywords | 断層ガウジ / 粘土鉱物 / K-Ar年代測定 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
断層の活動時期の推定において,上載地層法や地形学的な手法の適用が困難な断層では,断層岩そのものを年代測定する必要があるが,従来,母岩の再説物の混入等が原因で,正確な断層活動時期を検出することが困難であった。そのため,本研究では,断層運動に伴う熱水活動により晶出した自生の粘土鉱物を断層岩から高純度で分離する手法を確立するとともに,同位体希釈法および感度法によるカリウム-アルゴン年代測定の適用を試みた。なお,本研究では,豪州連邦科学産業研究機構のH.Zwingmann博士の協力を得て,派遣および比較実験,情報交換を実施した. 平成24年度は,有馬-高槻構造線の断層露頭から採取・分離した断層粘土試料についての年代測定を実施した.また,これまで同位体希釈法,感度法により年代測定を実施した試料について,X線回折法による鉱物組成解析を実施した.その結果,より若い年代値が得られた細粒の分離フラクションほど低温で短期間に晶出した特徴を持つ粘土鉱物の割合が多く,より最近の断層活動によるものとする解釈に整合的であった.ただし,さらに低温で晶出するカリウムが含まれない粘土鉱物も含まれているため,得られた最も若い年代値そのものが最終断層活動を反映しているとは言えないと結論できる.歴史上の活動が確認されている有馬-高槻構造線の断層試料についても,細粒フラクションについて約20~30MaのK-Ar年代値が得られ,本断層が対象鉱物を生成する温度帯で活動した時期を示していると考えられる. 成果については,国内外の学会・雑誌にて発表し,もう1報について国際誌に論文投稿準備中である.
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