2011 Fiscal Year Research-status Report
カルデラ湖における深層崩壊,地すべりと湖水氾濫の総合的調査研究
Project/Area Number |
23710206
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 新太郎 北見工業大学, 工学部, 助教 (40584602)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | カルデラ湖 / 音波探査 / 地すべり / 巨大崩壊 / 自然災害 |
Research Abstract |
本年度は,屈斜路湖の湖中の地形探査・表層地質探査を行い,3箇所の巨大崩壊の痕跡と思われる地形を発見した.これらの崩壊の時期については得られなかったが,2ヶ所は火山活動と関連している可能性があり,1箇所は過去の湖水面の上下変動と関連している可能性があることがあることが判明した.また屈斜路湖の湖中には地すべり,断層,溶岩ドームなど,看過できない災害リスクと直結する地形を確認できた.この研究は平成24年度5月の地球惑星科学連合大会で発表する予定であり,また,現在論文として取りまとめ中である.さらに24年度にかけての湖中探査のための予備調査を行い,洞爺湖,支笏湖での調査箇所の選定を行うと共に,災害リスクとつながる地形を発見した.加えて,図上調査および現地踏査により,新たに北海道の海岸線沿岸にも巨大崩壊の痕跡が多数あることが明らかになり,それらも含めて調査を行う道筋が立てられた.特に時代が新しい大規模崩壊に関しては,周辺も同様の不安定岩盤である可能性が高く,東日本大震災の例を鑑みても,津波が発生するリスクを考えると,早急な調査が必要であり,筆者の整備した装置類とノウハウで夏季に集中して調査する予定である.本年度は,その道筋が立てられたことが大きな進展であった.他に,巨大斜面災害研究を対象とする第二回Slope Tectonics国際会議にて,筆者の研究の紹介と情報交換および,巡検に参加して,氷河湖周辺で発生しうる崩壊のリスク等についても国内外の研究者と意見を交換し2件の発表を行った.以上のように計画は順調に実行されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究の都合上,本年度予定していた4つの湖の調査のうち,1つしか行えていないが,独自に調査できるノウハウを会得したので,平成24年度以降は大きな進展が期待できる.また,東日本大震災を契機として,筆者も加わった現地の調査より新たな課題が浮かび上がった.そのため,評価を(2)とした.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画記載の残りの3つの火山性胡沼,および,北海道海岸線の大規模崩壊においても海中に没した地形を探査し,それから想定しうる災害リスクの解析を試みる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度は,ほぼすべての調査機材を,大阪市立大学に頼ったものであったが,密な調査がそれでは不可能であるため,本年度は筆者の拠点において船舶,地形探査装置,船舶航行免許などを整備し,そして野外での調査を行う予定である.研究費は,これらに用いる.
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Research Products
(4 results)