2012 Fiscal Year Annual Research Report
ESCO1及びESCO2によるコヒーシンアセチル化の分子機構の解明
Project/Area Number |
23710213
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂東 優篤 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (90360627)
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Keywords | 染色体構造 / コヒーシン / アセチル化 / ChIP-seq / 姉妹染色体 |
Research Abstract |
ESCO1によるコヒーシンのアセチル化は、コヒーシンサブユニットPDS5を介して起こることを明らかにし、PDS5との直接的な結合に必要な領域(300-320a.a.)を同定した。この領域に含まれる302番目のセリン残基は、分裂期にAuroraBによりリン酸化され、分裂期におけるコヒーシンのアセチル化の抑制に機能しているの可能性がある。さらに、ESCO1のN末側(1-200a.a.)は、クロマチンに結合するのに必要で、この領域は、細胞クロマチン分画に含まれるコヒーシンのアセチル化に必須であることが分かった。一方で、ESCO2のアセチル化や姉妹染色体の接着には、PDS5は必要なく、複製開始タンパクOrcが関与すること、また、ESCO2は、MCMを含むDNA複製複合体と相互作用していることを見いだした。ヒトESCO2においても、コヒーシンアセチル化には、酵母やアフリカツメガエルと同様に、DNA複製を介するESCO2の活性の制御が必要であることを示す結果が得られた。ESCO1の染色体上の局在領域(8658カ所)は、ChIP-seq解析から、コヒーシンやCTCFと局在する領域と約9割一致し、上記の結果を裏付けるものであった。一方で、ESCO2のChIP-seq解析からは、ESCO1の局在領域数に比べ約半分しか得られず、さらにコヒーシンとの一致は、約6割程度であった。実際、プロファイルの結果を詳細に検証すると、かなりの擬陽性を含んでいる可能性が考えられた。このことは、ESCO2の局在がDNA複製に依存しているため、複製の進行とともに局在が変わることが考えられ、細胞の同調とを含めた更なる検証が必要であると思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Rapid discovery of highly potent and selective inhibitors of histone deacetylase 8 using click chemistry to generate candidate libraries.2012
Author(s)
Suzuki T, Ota Y, Ri M, Bando M, Gotoh A, Itoh Y, Tsumoto H, Tatum PR, Mizukami T, Nakagawa H, Iida S, Ueda R, Shirahige K, Miyata N
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Journal Title
J Med Chem.
Volume: 55
Pages: 9562-9575
Peer Reviewed
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