2012 Fiscal Year Annual Research Report
高感度細胞表面抗原マーカー検出に向けたエピトープ領域の網羅的同定
Project/Area Number |
23710218
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
増田 豪 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特任助教 (70383940)
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Keywords | 細胞表面抗原 / ショットガンプロテオミクス / 膜タンパク質 / 相間移動可溶化剤 / リン酸化プロテオミクス / 細胞分画 |
Research Abstract |
細胞表面抗原タンパク質の発現パターンは細胞種固有であり、その情報は再生医療や抗体医薬品の開発などに有用である。LC-MS/MSを用いたショットガンプロテオーム解析はタンパク質の網羅的解析に有用である。しかしながら、細胞表面抗原タンパク質は疎水性が高く、存在量が少ないため網羅的解析が困難なタンパク質群である。そのため、超遠心機などを用いた膜画分の濃縮操作などが必要だった。しかし、これまでの分画法は煩雑であり回収率が低く、分画試料はショットガンプロテオーム解析に直接使用できなかった。そこで、本研究ではショットガンプロテオーム解析に適した高回収率で簡便な細胞分画法を開発した。 デオキシコール酸ナトリウム(SDC)およびラウロイルサルコシン酸ナトリウム(SLS)を用いることで、細胞を細胞質基質、細胞内小器官および核画分に分画できた。また、本方法では相間移動可溶化剤であるSDCおよびSLSを用いている。したがって、ショットガンプロテオーム解析の前処理に分画試料を直接使用できるため回収率が高い。また、抗体を用いて分画精度を評価したところ、細胞表面抗原であるCD44は予想した通り細胞内小器官画分に濃縮された。同時に細胞質基質タンパク質や核タンパク質であるLDHAやLamin A/Cはそれぞれ細胞質基質および核画分に濃縮された。またショットガンプロテオーム解析において、13種類の細胞表面抗原を含む合計209種類の膜貫通タンパク質が同定された。さらにリン酸化プロテオーム解析を組み合わせたところ、リン酸化CD44の核移行など翻訳後修飾依存的な細胞内局在変動を観察できた。 本手法は回収率が高く、既存の方法(S-PEK)よりも分画精度が高いだけでなく、これまで精確に分画できなかった少ない試料(105細胞)にも適用可能だった。この方法を用いることで、効率よく細胞表面抗原の同定が可能となった。
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[Presentation] Metabolic response of Escherichia coli adapted to growth on a glycerol minimum medium2012
Author(s)
Kian-Kai Cheng, Baek-Seok Lee, Takeshi Masuda, Junko Fujikura, Takuro Ito, Kazutaka Ikeda, Jiyang Dong, Tomoyoshi Soga, Masaru Tomita, Bernhard Palsson, Martin Robert
Organizer
Foundations of Systems Biology in Engineering 2012
Place of Presentation
山形
Year and Date
20121021-20121025
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