2011 Fiscal Year Research-status Report
5’キャップ構造、アンチセンス、プロモーター近傍RNAの機能の解明
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23710222
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
DE HOON MICHIEL 独立行政法人理化学研究所, LSA情報基盤施設, 研究員 (70525617)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Transcriptomics / anti-sense transcription / non-coding RNA / regulation |
Research Abstract |
本研究はCASPAR転写物というタンパク質をコードしないRNA(ncRNA)の新たなクラスの特徴や制御上の役割の解明することを目的とする。CASPAR転写物はコーディングされる遺伝子のプロモーターに反対向きにオーバーラップすると思われる。研究計画の最初の段階 として、deep sequence解析により予め同定されたCASPAR転写物の開始点または終止点を明らかにする ため、5’と3’ RACE法解析 (RapidAmplification of cDNA Ends)を行った。PMAの作用によって生じるRNAの変化を調べる目的でオリジナルのTHP-1骨髄単球性白血病細胞三つと、PMAを96時間反応させた後のTHP-1骨髄単球性白血病細胞三つからRNAを抽出した。PMAは細胞増殖を抑制し、接着させ、それらを成熟した単球とマクロファージ様の表現型に分化させる効果を持つ。RACE法による解析は13個のCASPAR転写物について行われた。CASPAR 転写物はSPI1、MYB、GFI1、STAT6という遺伝子の5’終止点にオーバーラップし、THP-1骨髄単球性白血病細胞の単核球細胞への分化というプロセスにおいて大変重要な役割を果た す転写因子のコードに関与すると思われる。PMAを反応させる前と後の細胞のにおいて細胞核と細胞質の両方からRNAを抽出・比較することでCASPAR転写物の細胞内局在を知ることができると考えられる。我々はPCR増幅によってCASPAR 転写物の逆転写を行いcDNA 産物を得た。さらに、感受性と特異性を極大 化するよう外側、内側、または代用プライマーを用いた。ライブラリ化されたcDNAの長さを見る限り、我々のCASPER転写物の増幅は成功である。cDNA ライブラリは現在、Illumina HiSeq2000シーケンサーでシークエンシング中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験ができるアシスタントがいなかった為
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Strategy for Future Research Activity |
キャスパー転写の制御役割を証明するために、私たちは無刺激 THP-1細胞の中へ特定のキャスパー転写を導入し、そして、対応するセンス転写物と選択された下流標的の測定の2つの発現を測定する計画です。それぞれの標的遺伝子のMYB、SPI1、STAT6、およびGFI1に関して、私たちは、生体外でRNase-A-resistant RNAに転写キットを使用することで対応するキャスパー転写物を生成するつもりです。また、転写物に5’ CAPを付加するためにm7Gキャッピング酵素も使用するつもりです。THP-1細胞の中へのこれらのキャスパー転写の導入のときに、私たちは、qRT-PCRによるセンス転写物の発現応答を測定するつもりです。もし複数の独立したキャスパー転写が4つの標的遺伝子のどれかで見つけられるなら、それぞれのキャスパー転写がセンス転写物に特異的効果を与えるかどうか測定するために、私たちは分離導入とqRT-PCR発現定量実験を行うつもりです。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでに行った実験の結果、CASPAR転写物の存在が確認された。科研費の申請に記載しているように、2012年度は、続いてその転写物の生物的な機能を追究することを計画している。そのため、これからはCASPARの様々な転写物をTHP-1細胞に形質導入し、転写制御の効果をはかることを考えている。発現レベルについてはハイスループットDNAシーケンシングを使ったCAGE解析によって測定する。科研費の使用内訳としては、CAGEライブラリー作成費用に約80万円、HiSeq 2000 V3シーケンサーの一レーンを利用し、ハイスループットDNAシーケンシングを行った場合の費用は23万7千円、残りの18万円はCASPAR転写物の調製およびそれらのTHP-1細胞への形質導入の作業に割り当て、最後に、科研費申請書で述べたように30万は出版費に充てるつもりです。
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