2012 Fiscal Year Research-status Report
潰瘍性大腸炎関連遺伝子多型の機能解析と治療効果への応用
Project/Area Number |
23710225
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浅野 光一 九州大学, 大学病院, 助教 (40593893)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 遺伝子多型 / 遺伝子発現 / 臨床経過 |
Research Abstract |
本研究は次の3つの研究から構成されており,各研究での実施状況を以下に記載した。 ①疾患関連遺伝子多型の解析:ゲノムDNAの収集については,752例の潰瘍性大腸炎患者のゲノムDNAをすでに収集した.実験と解析に関しては,上記の752例のサンプルを用いてFCGR2A, SLC26A3,JAK2遺伝子領域の遺伝子多型の解析を行っている.FCGR遺伝子領域にはコピー数多型(CNV)の影響が存在し,single nucleotide polymorphism(SNP)の解析のみでは不十分であることが判明した.そのため,その領域のCNVの影響の詳細な解析を行い,その結果,FCGR2A遺伝子上のSNPとほかのFCGR遺伝子のCNVのハプロタイプが潰瘍性大腸炎と非常に強い関連があることがわかった.この結果は現在論文化し投稿している. ②疾患関連遺伝子のヒト組織での発現解析(遺伝子多型や腸管炎症との関連):潰瘍性大腸炎患者30名と対照群25名の血液と大腸組織からのゲノムDNA,mRNAの抽出,および腸管各所からの組織を採取した.さらに,現在, SLC26A3遺伝子についてはジェノタイプ毎に発現量に差があることを大腸組織の免疫染色で確認しており,FCGRをはじめSLC26A3,JAK2遺伝子のmRNAレベルでの発現解析を進めているところであり,今後有用な知見が得られた時点で論文化を行う予定である. ③遺伝子多型、および、遺伝子発現の臨床経過との関連解析:既採取のゲノムDNAサンプル109名を用いてその臨床経過との関連を解析した.その結果,二つの遺伝子の多型が,潰瘍性大腸炎の寛解維持期間に影響していることが判明した.この成果は学会報告を予定しており,その後論文化する予定である.また,さらにサンプル数を増やして,他の遺伝子多型についても解析を行っていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
潰瘍性大腸炎関連遺伝子領域の遺伝子解析は順調に進み,論文投稿している. 遺伝子発現解析についてはコントロールのサンプル収集は困難であり,やや遅れている. 臨床経過と遺伝子多型の解析についてもすでに結果がでており最終的な確認とサブ解析を行い論文化予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
1)疾患関連遺伝子多型の解析:FCGR,SLC26遺伝子領域以外の領域の詳細な遺伝子解析を行う. 2) 疾患関連遺伝子のヒト組織での発現解析(遺伝子多型や腸管炎症との関連):潰瘍性大腸炎患者30名と対照群25名の血液と大腸組織からのゲノムDNA,mRNAの抽出,および腸管各所からの組織を採取した.さらに,サンプル数を増加し,FCGRをはじめSLC26A3,JAK2遺伝子のmRNAレベルでの発現解析を進め,今後有用な知見が得られた時点で論文化を行う. 3) 遺伝子多型、および、遺伝子発現の臨床経過との関連解析:既採取のゲノムDNAサンプル109名を用いてその臨床経過との関連を解析しており,他の遺伝子多型についても,必要なら,さらにサンプル数を増やして,解析を行っていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ゲノムDNA抽出,mRNA抽出.遺伝子多型解析と発現解析用の試薬の購入.研究成果の発表のための旅費.さらに現在研究が困難な領域の情報収集費用に使用予定である.
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Research Products
(1 results)