2011 Fiscal Year Research-status Report
Outlierアプローチによる新規がん抑制遺伝子の同定
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23710227
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
竹島 秀幸 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (40432497)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / DNAメチル化 / がん抑制遺伝子 / サイレンシング / マイクロアレイ |
Research Abstract |
DNAメチル化異常は、がん抑制遺伝子不活化の主要なメカニズムである。がん細胞では、多数の遺伝子にメチル化異常がみられるが、これらのほとんどは、発がんの随伴現象であり、がん抑制遺伝子のメチル化はごく一部である。本研究では、がんで異常メチル化される遺伝子のほとんどは、正常細胞においてRNA合成酵素が結合しておらず、H3K27メチル化を受けていることに着目し、RNA合成酵素が結合しているにも関わらずメチル化されてしまう遺伝子(Outlier遺伝子)を探索することで、新規がん抑制遺伝子を効率的に同定する方法「Outlierアプローチ」を開発することを目的とした。1年目の本年度は、乳がんにおける既知のがん抑制遺伝子BRCA1、HOXA5及びMASPINがOutlier遺伝子であることを明らかにした。また、ヒト乳腺の正常細胞株2種類及び乳がん細胞株5種類についてDNAメチル化状態をゲノム網羅的に解析し、がん細胞株でのみ高頻度にメチル化されている遺伝子を280個同定した。さらに、正常細胞におけるRNA合成酵素の結合状態及びH3K27トリメチル化状態をゲノム網羅的に解析することで、正常細胞においてRNA合成酵素が高レベルに結合しているにも関わらず、がん細胞株でメチル化されているOutlier遺伝子を14個同定した。これらのOutlier遺伝子のうち、DZIP1、FBN2、HOXA5及びHOXC9の4遺伝子は、乳がんの臨床検体においても異常メチル化されていた。今後、これらのOutlier遺伝子について、ノックダウン法等を用い、がん抑制遺伝子であるかどうかの機能解析を進めことで、Outlier遺伝子の探索により新規がん抑制遺伝子が効率的に同定できることを示す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画通り、平成23年度のうちに乳がんにおける新規がん抑制遺伝子候補となるoutlier遺伝子を同定することができたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度以降は、本年度に同定したoutlier遺伝子の機能解析を行う。具体的には、乳がん細胞株において、同定したoutlier遺伝子を高発現またはノックダウンすることで、細胞増殖性がどのように変化するかを解析する。それにより、同定したoutlier遺伝子が、がん抑制遺伝子であるかどうかを明らかにし、outlier遺伝子を探索することで、新規がん抑制遺伝子が効率的に同定できることを示す予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度以降に請求する研究費は、outlier遺伝子の高発現用のウイルスベクターやノックダウン用のウイルスベクターの作成、細胞培養関連試薬等への使用を計画している。
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