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2012 Fiscal Year Research-status Report

不妊を引き起こす生殖細胞発生異常のシステム解析

Research Project

Project/Area Number 23710237
Research InstitutionNational Institute for Basic Biology

Principal Investigator

佐藤 昌直  基礎生物学研究所, 発生遺伝学研究部門, 助教 (20517693)

Keywords遺伝子ネットワーク / 発生 / 生殖細胞 / 不妊
Research Abstract

平成24年度は以下の解析について研究を進めた。
1) ショウジョウバエ個体から単離した生殖細胞のmRNA発現プロファイルを解析する際の実験デザイン、統計モデルの改良を行い、バッチエフェクト(実験日などに起因すると考えられる体系的なバイアス)と遺伝子型による影響との定量的な割合を検討した。
2) カイコ培養細胞(BmN4)のゲノムワイドな遺伝子発現状態をmRNA発現プロファイルから確認した。また、カイコ-ショウジョウバエ間でのオルソログ推定を行い、当初、ショウジョウバエで予定していた研究計画をカイコ培養細胞で行うための基盤を確立した。
3) 生殖細胞の発生・維持に必須なことが知られている遺伝子に対するRNAiを行い、それらの表現型を評価した。
4) カイコ培養細胞を用いたRNAiによる遺伝子機能阻害とmRNA発現解析を組み合わせた遺伝子ネットワークのモデリングに着手した。このモデリングには(a) 上記3)で同定された遺伝子および(b)本研究計画当初に準備したショウジョウバエベイジアンネットワークモデル情報から選抜した遺伝子で且つ様々な発生現象に共通して関与するcanonicalシグナル伝達因子のカイコオルソログ遺伝子であるものを選抜し、ネットワークモデリングに供試した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度は以下の解析について進展が得られた。
1) ショウジョウバエ個体から単離した生殖細胞を用いてmRNA発現プロファイルを解析する際に考慮すべき実験デザインについて今後の方針を決定しうる情報が得られた。
2) カイコ培養細胞のゲノムワイドなmRNA発現プロファイルから、ショウジョウバエ生殖細胞で発現している遺伝子は概ね現在用いている細胞株でも発現が確認され、ショウジョウバエ個体を使って解析が難しい点は本培養細胞株を用いることで補完するための情報を得ることができた。
3) カイコ培養細胞でのRNAi実験を行い、ショウジョウバエで報告されている表現型を示すカイコオルソログが確認された。
4) カイコ培養細胞を用いたRNAiによる遺伝子機能阻害とmRNA発現解析を組み合わせた遺伝子ネットワークのモデリングに着手し、mRNA発現プロファイルの解析を進めている。予備的ではあるが、ネットワーク構造について情報が得られつつあり、その検証実験を準備すると共にショウジョウバエ変異体の準備を並行している。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は引き続き、シグナル伝達ネットワークモデリングを進め、カイコ遺伝子とショウジョウバエ遺伝子の進化的対応関係や既存の情報を統合しながら、ネットワークモデリングに供した遺伝子が変異した際にどのようにネットワークに影響を与え、どうして不妊を引き起こすかについての情報を抽出することを目指す。特にシグナル伝達制御の鍵となるサブネットワークが限られた数、存在するのか(autocratic networkであるのか)、ショウジョウバエの遺伝学的解析から多数の遺伝子が不妊の原因として同定されているようにどのシグナル伝達経路も重要であるのか(democratic networkであるのか) を特定し、妊性制御に関わる本質的な情報を抽出することを計画している。また、妊性を制御するネットワークの性質に関わらず、妊性に関わる分子マーカーの同定も今後、妊性制御シグナル伝達ネットワークの研究を展開する上で重要と考えている。上記2点に重点を置きながら、妊性制御システムの分子基盤並びに生殖細胞と体細胞のシグナル伝達ネットワークの違いを明らかにしていきたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度は引き続き生殖細胞シグナル伝達ネットワークモデルの検証のために遺伝子発現プロファイリング等の測定を行うための消耗品、外注に関わる支出および成果発表、情報収集のための旅費の支出を予定している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Establishement of Resources to Elucidate Regulatory Network Governing Germline Gene Expression Using the Bombyx mori cell line BmN4-SID12012

    • Author(s)
      Masanao Sato, Hiroaki Mon, Takahiro Kusakabe, Satoru Kobayashi
    • Organizer
      The 58th/60th NIBB conference
    • Place of Presentation
      愛知県岡崎市岡崎コンファレンスセンター
    • Year and Date
      20120717-20120721
  • [Presentation] BmN4-SID1トランスクリプトーム解析 - カイコ機能ゲノミクスの基盤形成2012

    • Author(s)
      佐藤昌直
    • Organizer
      NGS現場の会第2回研究会
    • Place of Presentation
      大阪府吹田市ホテル阪急エキスポパーク
    • Year and Date
      20120524-20120525

URL: 

Published: 2014-07-24  

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