2011 Fiscal Year Research-status Report
網羅的グライコプロテオミクスを指向した新規糖ペプチド分離樹脂の開発と応用
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23710246
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒河内 政樹 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 特任助教 (30422009)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | シアル酸糖鎖抽出 / 選択的酸化 / 糖ペプチド / 質量分析計 |
Research Abstract |
本年度は、シアル酸含有糖ペプチドの調整並びに混合物の試料を用いてシアル酸糖ペプチドの解析を行った。1)単一糖タンパク質(卵黄)由来のシアル酸含有糖ペプチドの効率的捕捉と切断(遊離)シアル酸含有糖ペプチドを15 mM過ヨウ素酸ナトリウム溶液を用いて氷冷下で30分間酸化した。次に、反応液をアガロース担体のヒドラジド担持樹脂を用いて、シアル酸含有糖ペプチドのみを選択的に単離収集した。捕捉した糖ペプチドは、1MHCl溶液を用いてシアル酸部位を保持したまま切断し、シアル酸にPA標識を行い、糖ペプチドを回収した。これをLC-MS並びにMALDI TOF-MSによる解析を行った。2)ラット血清中のシアル酸含有糖ペプチドの選択的捕捉と切断(遊離)ラットマウスの血清試料のトリプシン消化物を1 5mM過ヨウ素酸ナトリウム溶液を用いて氷冷下で30分間酸化した。次に、反応液をアガロース担体のヒドラジド担持樹脂を用いて、シアル酸含有糖ペプチドのみを選択的に単離し回収した。捕捉した糖ペプチドは、1MHCl溶液を用いてシアル酸部位を保持したまま切断し、シアル酸にPA標識を行い、糖ペプチドを回収し、LC-MSによる解析を行った。本プロジェクトにおいて得られた成果は、第84回日本生化学会大会に発表させて頂きました。本法は、非還元末端にシアル酸を有する複合糖質の網羅的なエンリッチが可能であり、かつペプチドおよび糖鎖の配列を同時かつ大規模に取得可能な唯一の方法論であることから、グライコプロテオミクスにおける基盤技術になることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シアル酸含有糖ペプチドの解析手法並びに糖ペプチドの解析手法はほぼ確立してきた。しかしながら、シアル酸を持たない糖ペプチドに対しては未だに解決をしていない。中性糖ペプチドにシアル酸転移酵素を用いてシアル酸を導入して解析する手法は特許として取得しているが、来年度はこれよりも簡便な手法を樹脂担体の開発を中心に解決して行きたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、シアル酸含有糖ペプチドの抽出・解析に重点をおいていたが、今後は、中性糖鎖を含む糖ペプチドの抽出を行えるような担体の開発を中心に行っていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の消耗品、試薬類は昨年度に使用する分はすでに保持していた為、これらを使用して、予定していた分の研究費は無理に決済をせずに次年度へ持ち越しを行った。また、当初予定していた論文投稿や学会発表等の予定も次年度の持ち越しを行った。本年度は、所属が変わった為、新しく消耗品、試薬類を始めから準備する為に持ち越した研究費を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] A Strategy for Neuraminidase Inhibitors Using Mechanism-Based Labeling Information2011
Author(s)
Hinou H., Miyoshi R., Takasu Y., Kai H., Kurogochi M., Arioka S., Gao X.-D., Miura N., Fujitani N., Omoto S., Yoshinaga T., Fujiwara T., Noshi T., Togame H., Takemoto H., Nishimura S.-I.
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Journal Title
Chem. Asian. J.
Volume: 6
Pages: 1048-1056
DOI
Peer Reviewed
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