2012 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティックな未利用生合成遺伝子発現の活性化による新規有用物質の創出
Project/Area Number |
23710248
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅井 禎吾 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (60572310)
|
Keywords | 天然物 / 糸状菌 / 昆虫寄生菌 / エピジェネティクス / 二次代謝制御 / 休眠遺伝子 / 物質生産 / 生物活性物質 |
Research Abstract |
糸状菌のゲノム解読が進につれ,未知の二次代謝物をコードする数多くの生合成関連遺伝子が存在することが明らかになってきた.なかでも,PKSやNRPSをコードする遺伝子が多数存在しており,新規生物活性天然物の宝庫として期待される.しかし,これら生合成遺伝子の多くは,従来の培養条件下での発現量が低く,二次代謝物の取得に至っていないケースが多い.本研究では,DNAメチル化酵素阻害剤やHDAC阻害剤を用いる化学的手法およびエピジェネティック因子の過剰発現系を用いる遺伝子工学的手法により,糸状菌のヒストン修飾状態を人為的に変化させることで,様々な遺伝子発現変動を引き起こし,多様な新規天然物の取得を可能にする物質生産法の確立を目指した. 1) 酵素阻害剤を用いる化学的手法:二次代謝活性化剤として機能する阻害剤およびその濃度条件を見出し,多くの糸状菌に有効な培養方法を確立した.確立した培養法を用いて昆虫寄生糸状菌を中心とした糸状菌群をスクリーニングし,新規性の高い構造を有する化合物や生物活性を示す化合物を含め多様な新規二次代謝物の取得に成功し,本法の有用性を示すことができた. 2) エピジェネティック因子の過剰発現系を用いる遺伝子工学的手法:LaeA過剰発現により糸状菌二次代謝が活性化されることは確認できたが,新規物質の取得には至っていない.より多くの遺伝子の発現を変動させ,新規物質の取得に繋げるために,LaeAと複合体を形成し,二次代謝制御に関わることが示唆されている因子を共発現させるなどの検討を行う必要がある.
|
-
-
-
[Journal Article] An epigenetic modifier enhances the production of anti-diabetic and anti-inflammatory sesquiterpenoids from Aspergillus sydowii2013
Author(s)
Y. M. Chung, C. K. Wei, D. W. Chuang, M. E. Shazly, C. T. Hsieh, T. Asai, Y. Oshima, T. J. Hsieh, T. L. Hwang, Y. C. Wu, F. R. Chang
-
Journal Title
Bioorg. Med. Chem
Volume: 21
Pages: 3866-3872
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Tenuipyrone, a Novel Skeletal Polyketide from the Entomopathogenic Fungus, Isaria tenuipes, Cultivated in the Presence of Epigenetic Modifiers2012
Author(s)
T. Asai, Y. M. Chung, H. Sakurai, T. Ozeki, F. R.Chang, K. Yamashita, Y, Oshima
-
Journal Title
Org. Lett
Volume: 14
Pages: 513-515
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-