2012 Fiscal Year Annual Research Report
核小体低分子RNAを基盤とした遺伝子発現制御方法の開発
Project/Area Number |
23710263
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
福田 将虎 福岡大学, 理学部, 助教 (90526691)
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Keywords | 核小体低分子RNA / RNA修飾 / 機能性RNA / 細胞スクリーニング |
Research Abstract |
本研究は、標的メッセンジャーRNA(mRNA)の各ヌクレオチドを化学修飾する核小体低分子RNA(snoRNA)ライブラリーを作製し、「生体内で標的タンパク質発現を抑制する人工snoRNA」を構築する方法論の開発を目的とした。平成24年度は、前年度に構築した「細胞内で緑色蛍光タンパク質(GFP) mRNA上のあらゆるヌクレオチドを2’-O-メチル化修飾可能なsnoRNA発現プラスミドライブラリー」と、「GFP-チミジンキナーゼ(TK)融合タンパク質を恒常的に発現する細胞」を用いて、細胞内で標的タンパク質発現を抑制するsnoRNAのスクリーニングを行った。細胞スクリーニングは、①snoRNA発現プラスミドライブラリーの細胞導入、②ガンシクロビル(GCV)存在下での培養、③生存細胞からのプラスミド回収、④獲得プラスミドの増幅によるプラスミドライブラリーの再構築、の課程を繰り返し行った。3回選択後のプラスミドライブラリーのDNA塩基配列解析を行った結果、GFP mRNA上の開始コドン(AUG)のAまたはGを標的するsnoRNA(snoST1、snoST3)が得られた。上記snoRNAをスクリーニングに用いた細胞に形質導入し、GCV存在下での生存細胞数を算出した結果、コントロールと比較してsnoST3発現細胞は、わずかに生存割合が上昇した。また、snoST1、snoST3のGFP-TKタンパク質発現抑制効果をウェスタンブロッティングにより確認した。以上の結果より、本研究で開発した細胞スクリーニングにより、細胞内で標的タンパク質発現を抑制する人工snoRNAが構築できることを明らかにした。タンパク質発現抑制が2’-O-メチル化修飾によるものかどうかは不明であるが、本研究により、開始コドンを標的とするsnoRNAがタンパク質発現を抑制するという興味深い結果が得られた。
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Research Products
(3 results)