2012 Fiscal Year Annual Research Report
投影型イメージング質量分析による薬物動態高速測定技術の開発
Project/Area Number |
23710271
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
間 久直 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70437375)
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Keywords | 分子イメージング / 薬物動態 / イメージング質量分析 / 投影型 / マトリックス支援レーザー脱離イオン化 |
Research Abstract |
マトリックス支援レーザー脱離イオン化(matrix-assisted laser desorption/ionization; MALDI)を用いた投影型イメージング質量分析による薬物動態の測定に向けて、まず、生体内薬剤分子のイオン化条件の検討を行った。その結果、モデル薬剤として用いたブスピロン(抗不安薬)のイオン化には一般的に用いられているマトリックス(イオン化補助剤)の中でもαシアノ4ヒドロキシ桂皮酸を用いると、最もイオン化の効率を高くできることがわかった。さらに、通常のマトリックスにゼオライトを混合することでイオン化効率を1.5倍程度に高められることががわかった。 MALDIを用いたイメージング質量分析ではマトリックス溶液を試料表面にスプレーで塗布して測定を行う。マトリックス溶液の塗布には一般に金属製のスプレーが用いられているが、金属製のスプレーではスプレー自体がマトリックス溶液中に溶出し、イオン化効率 を低下させることを明らかにした。そこで、マトリックス溶液の塗布にガラス製のスプレーを用いたところ、金属製スプレーを用いた場合と比べてイオン化効率を著しく向上させることができた。 次に、高スループットでの薬物動態測定を実現するために、試料を高真空中で自動的かつ高位置精度で移動させるための試料移動機構の製作を行った。その結果、試料を当初目標としていた可動範囲25mm×25mmよりも広い50mm×50mmの範囲において絶対位置精度±1 μmで移動させることができる移動機構を実現することができた。光学顕微鏡でも同一の試料を観察できるようにするため、試料ホルダーはスライドガラスをそのまま装着できる構造とした。 イオン化条件の検討結果、および本研究で改良を加えたイメージング質量分析装置を用いて、薬剤を投与したマウス脳内における薬剤分子の分布を測定することに成功した。
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[Presentation] Novel stigmatic mass microscope using laser ionization2012
Author(s)
Hisanao Hazama and Kunio Awazu
Organizer
International Joint Symposium on Single-Cell Analysis (The 6th International Workshop on Approaches to Single-Cell Analysis & The 8th International Forum on Post-Genome Technologies)
Place of Presentation
Kyoto Research Park, Kyoto, Japan
Year and Date
2012-11-27
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