2011 Fiscal Year Research-status Report
ポルトガル語史料を用いたアフリカにおけるキャッサバの普及に関する歴史学研究
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23710294
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
石川 博樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (40552378)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アフリカ / 歴史 / 農作物 / キャッサバ / ポルトガル / アンゴラ |
Research Abstract |
南米大陸原産の農作物キャッサバは、アフリカ大陸の広大な領域で栽培され、多数の人口を養う重要な主食用農作物となっている。西アフリカ、東アフリカにおいては、英仏による植民地支配期にキャッサバの栽培や利用に関する研究が行われ、その普及に関する歴史学研究も進んでいる。アフリカ中央部では、現在のコンゴ民主共和国の領域について、ベルギーによる植民地支配期以降を主たる対象とした研究が行われている。しかしその他の地域・時代については研究が進展しているとは言い難い。その一因はこの地域に関するポルトガル史料が十分に活用されていないことにある。本研究の目的は、各種のポルトガル語史料に含まれるキャッサバに関する情報を収集し、それらに基づいてアフリカ中央部におけるキャッサバの普及過程について解明することである。 平成23年度は、関連史料の調査および参照文献の収集に重点を置いて研究を進めた。ポルトガルにおいては、リスボン国立図書館、および海外領土史文書館において調査を実施した。前者ではアンゴラにおけるキャッサバ栽培に関する史料・参照文献を収集し、後者ではポルトガルによる植民地支配末期の1960年代半ばから1970年代初頭にかけてアンゴラにおいて発行された農業統計である『アンゴラ農業統計』の調査を行った。また国内ではアフリカ関係研究文献を豊富に所蔵している国立民族学博物館において調査を実施し、関連史料・参照文献の収集を行った。現在、特にキャッサバ栽培に関する記述を中心として『アンゴラ農業統計』の内容分析を進めており、その成果については、平成24年度中に発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、本研究課題の基盤となる主要史料・参照文献の収集を行った。特に本研究課題の主要史料となる『アンゴラ農業統計』に関する調査は順調に進行している。したがって本研究課題はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の遂行にあたっては、引き続きポルトガルにおいて関連史料・参照文献の収集を実施するとともに、『アンゴラ農業統計』をはじめとする入手史料の内容分析を進める。その際、『アンゴラ農業統計』の記述内容を正確に把握するために、アンゴラにおけるポルトガルの農業政策に留意しつつ、ポルトガルの他の植民地における農業統計との比較も行いながら研究を進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、平成23年度に続いてポルトガルの海外領土史文書館等において調査を実施するとともに、国内では国立民族学博物館において参照文献の収集を行う。これらの調査のために旅費を支出するほか、史料調査に必要な機材の購入も適宜行う。またすでに入手した『アンゴラ農業統計』をはじめとする史料の分析を進めるにあたって、データの入力・整理等のために謝金を支出する。
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