2013 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト・コンフリクト期イラクにおける国家建設の包括的研究
Project/Area Number |
23710301
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山尾 大 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 講師 (80598706)
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Keywords | 紛争 / 国家建設 / イラク |
Research Abstract |
25年度は、①紛争と経済復興問題の分析、②3年間の研究を総合した包括的な国家建設の分析、③他国との事例との比較という3つに力点を置いた。 ①経済復興の研究では、政権党であるイスラーム主義政党が、いかにして石油資源を中心とする経済発展を政権の安定に利用しているか、そのメカニズムを解明した。具体的には、どの勢力がいかなるルートを通じて、どのように経済開発を支配しているのか、また、こうしたゲームが、国家建設にいかなる影響を与えているのかを分析した。 ②トランスナショナルなネットワークが内政に与える影響、民主化とガバナンスの定着、国民和解政策、治安部門改革、そして経済復興という5つの側面からの分析を統合し、ポスト・コンフリクト期イラクにおける国家建設のダイナミズムを包括的にまとめた。 ③戦後イラクの国家建設の事例を、東南アジアのカンボジア、アフリカのソマリアをはじめとする複数の紛争経験国と比較・検証し、紛争と国家建設の理論化と分析枠組みの構築を目指した。
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