2012 Fiscal Year Research-status Report
エリトリアにおける国民国家形成の史的展開:連邦制(1952-61)の経験
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23710306
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
眞城 百華 津田塾大学, 付置研究所, 研究員 (30459309)
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Keywords | 国際情報交換 / エリトリア / エチオピア / イギリス |
Research Abstract |
当該年度には、初年度の研究成果を学会、研究会などで発表し、今後の研究について有意義なコメントを得ることができた。(日本アフリカ学会、世界政治研究会、西洋近現代史研究会)特に、アフリカ研究のみならず、本研究課題の国際関係、ならびに歴史研究においても本研究の重要性ならびに課題を再確認することができた。8月にはエリトリア並びにエチオピアにおける史料調査、3月にはイギリスにおける史料調査を実施した。史料が各国に散逸しているために史料調査は困難であるが、エリトリアの調査助手と連携をはかることでエリトリアにおける史料調査が帰国後も継続して実施することができた。エリトリア議会史料ならびに行政史料が主な調査対象となる。エチオピアではエリトリア併合をにらむ同国の政策に関する史料、イギリスでは両国を取り巻く国際関係、またイギリスのエリトリア政策に関する史料を渉猟した。 研究成果の一部を、2本の論文ならびにシンポジウムにおける発表として公開した。 ①「民族の分断と地域再編―ティグライから見たエチオピアとエリトリアの 100年」、小倉充夫編著『現代アフリカ社会と国際関係―国際社会学の地平―』、有信堂,pp. 13-48, 2012年 エチオピアとエリトリア両国関係が植民地支配、イタリア侵略、脱植民地化、冷戦という国際関係の影響下で変容を余儀なくされる過程を分析した。特に両国に居住するティグライに注目することで政治や社会に及ぼした影響を具体的に論じた。 ②「エリトリアにおける脱植民地化と政党対立の萌芽―連合国4か国調査団報告の検討―」、総合研究、第6号、pp.62-79, 2013 脱植民地期のエリトリアにおける初の政党結成とその展開について論じた。国際関係、エチオピアの影響を受けたエリトリアの諸政党の対立の争点を、1947年に実施された連合国調査団報告書から取り上げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料が各国に散逸しているために史料渉猟に時間と経費が必要であるが、調査助手との連携を図るなどしてこの問題に対処している。 1年目、2年目の研究成果を積極的に公表し、研究に対する有意義なコメント、意見を得ることができており、研究の進展は当初の予定よりも進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も積極的に研究成果の公表を図り、さらに研究を進めたい。 8月にはエリトリアならびにエチオピアにおける調査、史料収集を計画している。 調査助手との連携の確認も行い、帰国後も史料の確認を継続的に行う予定である。 本研究課題の最終年度でもあり、本年度後期は研究成果のとりまとめと成果の公表を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
8月のエリトリア、エチオピア調査費用が支出の多くを占める。 また、エリトリアの史料館と契約を結び、調査助手を雇用することができた。遠隔地における史料渉猟には不可欠な協力関係であり、助手への謝金が必要となる。
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Research Products
(4 results)