2012 Fiscal Year Annual Research Report
「アフリカから見た第二次世界大戦期の日本」研究の構築に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
23710307
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
溝辺 泰雄 明治大学, 国際日本学部, 講師 (80401446)
|
Keywords | 第二次世界大戦 / 日本アフリカ交渉史 / アフリカの新聞メディア / 植民地統治下の検閲 |
Research Abstract |
第二次世界大戦期の英領アフリカの現地メディア・政府出版物における「日本」観の変遷を跡づけることを目指す本研究は、西アフリカ(主にガーナ)と東アフリカ(ケニア)を主たる調査地として、同地における言論メディアにおける日本観の変遷に関する調査を実施した。これに加え、戦時期に英領黄金海岸(現ガーナ)に抑留された日本人捕虜に関する調査、及び、ガーナ国立軍事博物館(クマシ)に収蔵・展示されている第二次大戦期のインド=ビルマ戦線から持ち帰られた旧日本軍の国旗、軍票、武具・火器類などの調査も実施した。後者に関しては、同館館長のM.O.トゥエネボア=コドゥア氏の協力のもと、同館が保有する全ての日本軍関連物品の種類・個数を調査し、同館の展示の意図についても、館長とのインタビューで詳細な説明を受ける機会を得た。 海外の研究者との交流のなかで、大戦中の日本における「アフリカ観」の変化について頻繁に質問を受けるようになった報告者は、平成24年7月にナイジェリアで開催された国際学会において、戦時下の日本の新聞にによるアフリカ報道に関する論文を発表した。この発表に対し、東南部アフリカの軍事史が専門のT.ステイプルトン教授(カナダ・トレント大)をはじめ、参加者から強い関心を寄せられた。同会議に参加した研究者との意見交換のなかで、ジンバブウェ、ザンビア、マラウィといった東南部地域のアフリカ人兵士に関する史料状況の情報を得た報告者は、同年9月にジンバブウェ国立公文書館(ZNA)での史料調査を実施した。そこで申請者は、ビルマ戦線に派兵されていた「ローデシア・アフリカ人ライフル部隊」の兵士が前線から親族に宛てた書簡群(ZNA, RG3|DEF4)を収集した。ここにはビルマ戦線での日本軍兵士についての記述も多く、第二次大戦期の「日本観」の検討にとって重要な史料であることが確認された。
|
Research Products
(4 results)