2013 Fiscal Year Research-status Report
明治期女子教育の制度化に際する西洋科学思想の影響に関する研究
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23710315
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Research Institution | The University of Shimane Junior College |
Principal Investigator |
渡部 周子 島根県立大学短期大学部, 総合文化学科, 講師 (70422582)
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Keywords | ジェンダー / 美術史 / 女子教育 / 少女 |
Research Abstract |
1.2013年度は、主に次の調査を行った。 (1)医科学関係資料、女子教育関係資料の収集とその解釈を続行した。(2)絵画、写真、挿絵、広告画等の図像資料の収集と資料の解釈 を続行した。(3)近代日本における「美育」に対するダーウィン進化論の影響について、調査を行った。(4)明治以降より現代の少女イメージを視野に入れることでの相対化を図った。 2.分析の方法や、導き出すことができた解釈等を以下に示す。 近代日本の女子教育における「美育」の思想的な背景として、シラー等による西洋思想の影響を、これまでの研究で明らかにしてきた(『<少女>像の誕生』新泉社、2007年)。本年度は、近代日本における「美容」を検討することで、女性は容姿の美しさによって男性を魅了し、男性に保護してもらうことで生存競争に勝ち抜くことができるとする、ダーウィンによる「性淘汰」という理論の影響について考察を進めた。 さらに、学術教育研究特別助成金(島根県立大学 2013年度)による研究「少女文化における「かわいい」の生成」(個人研究 渡部周子)と照らし合わせることによって、少女の心身に関するイメージの形成について多角的に捉え、相対化することを試みた。 なお、得られた知見について、第52回文化社会学研究会(於早稲田大学戸山キャンパス 2014年3月29日)で、「近代日本における「少女」期の形成 ―西洋科学思想の受容という視点から」と題し、口頭報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2012年度に千葉大学から島根県立大学短期大学部へ所属が変更になった。研究代表者の所属と職の変更により、出張、資料収集とその整理ならびに解釈について、当初予定との変更が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は収集した資料の解釈を行い、成果をまとめる予定であったが、所属の変更に伴い、研究期間を延長し、調査の機会と資料収集、ならびに資料の整理と解釈を続行することとしたい。 主な研究方法を以下に示す。 1.医科学関係資料、女子教育関係資料の調査と収集した資料の解釈 2.絵画、写真、挿絵、広告画等の図像資料の調査と収集した資料の解釈 3.近代日本の美容と「美育」に関する調査の続行 4.明治以降より現代の少女イメージを視野に入れることでの相対化 1.2.3.4.に挙げた方法を並行的に行うことによって、総合的に資料を解釈する視点を獲得し、このことによって新たな知見を得ることを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年度に千葉大学から島根県立大学短期大学部へ所属が変更になった。資料の集積地である首都圏は、応募時点では研究拠点であったが、研究代表者の所属と職の変更により、調査計画に変更が生じ、このため資料収集とその整理、解釈を当初予定通りに終えることができず、次年度使用額が生じた。 調査の機会と資料収集、ならびに資料の整理と解釈の充実をはかるために、未使用額は、出張、資料収集の費用として主に用いる予定である。
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Research Products
(1 results)