2012 Fiscal Year Annual Research Report
女性労働者の就業行動に関する実証分析-職場の雰囲気が就業に与える影響-
Project/Area Number |
23710323
|
Research Institution | Kokusai Junior College |
Principal Investigator |
寺村 絵里子 国際短期大学, その他部局等, 講師 (70598870)
|
Keywords | ジェンダー / 女性労働 / 社会規範 / 出産行動 / 労働供給 |
Research Abstract |
本研究は、企業等において「職場の雰囲気」と称される暗黙の雰囲気により、どのような属性を持つ者が就業継続が難しいと感じていたか、また実際の就業行動に変化をもたらしたのか、の2点について量的分析及び質的分析を通じ検証するものである。ここで着目 するのは、実際の職場環境に関する制度の有無ではなく、制度の有無に関わらず諸制度を使いにくい、仕事を続けにくいという女性労働者が感じた「職場の雰囲気」すなわち「Social Norms」の代理変数となる設問である。 このうち、平成23年度は「職場の雰囲気」に関する変数を有するマイクロデータの貸与を受け、量的分析を行った。具体的には女性労働者が感じた「職場の雰囲気」の有無により実際の女性労働者の就業行動に違いがみられるかどうかを検証した。検証の結果、女性の離職においては、結婚時の「職場の雰囲気」は現在の就業状態に対して影響がなく、出産時は弱いながらも負の影響を持っていた。一方、就業継続においては「職場の雰囲気」は結婚・出産時ともにプラスの効果を持ち、特に出産時でその影響が大きく示された。 さらに平成24年度には質的調査を実施し、首都圏(1都3県)の労政事務所及び女性センター93か所に依頼状を送付し、さらに調査会社を経由して募集した計22名の女性(分析対象者は14名)に対してデプスインタビューを実施した。インタビューの結果からは離職女性の勤務した企業属性に一定の傾向があることから、企業属性別(同族企業、子会社、その他)に類型化した上で考察を行った。 また、量的分析を発展させるためにお茶の水女子大学近未来事業WORK-FAM及び本研究費を通じてパネルデータの貸与を受け、両立支援制度の利用しやすさに関する「職場の雰囲気」が女性の就業及びキャリア形成上の分岐点となる出産にどのような影響を与えたかを検証した。
|
Research Products
(5 results)