2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720005
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
吉永 明弘 江戸川大学, 社会学部, 講師 (30466726)
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Keywords | 倫理学原論・各論 / 環境倫理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、都市の環境倫理を学際的に探究することである。特にテーマとして、都市の持続可能性、都市内自然、都市のアメニティを設定した。 都市の持続可能性については、北九州エコタウンセンターを見学し、都市のゼロエミッションの取り組みについて学んだ。市役所からも資料の提供をうけた。 都市内自然については、進化生物学者の岸由二教授(慶應大学)のと、和光大学の若手研究者2名に、都市における自然に関するインタビューを行った。この結果を、報告書に掲載する予定である。また斎藤伊久太郎氏(千葉大学)、角田季美枝氏(千葉大学)の指導のもとで、和光大学周辺のまちあるきを行い、都市内の自然についての理解を深めた。 都市のアメニティについては、鞆の浦の景観紛争地域を見学した。事前に地理学者の鈴木晃志郎准教授(富山大学)からレクチャーを受けた。鈴木准教授には、鞆の浦に関する原稿を報告書に寄稿していただく予定である。下北沢については、再開発に関連する市民運動に関与している方にインタビューを依頼したが、残念ながらお引き受けいただけなかった。 その他、全般に関することについて。毎月1回、ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』の読書会を中野区民10名程度とともに行い、都市論の古典の精読を行った。その成果として、参加者の書評論文を報告書に掲載する予定である。また、倫理学と地理学との協働についての論文を、江戸川大学の紀要に投稿し、掲載された。出版社との話し合いの結果、吉永明弘著『都市の環境倫理』(単著)を2013年度中に刊行することが決定した。昨年度の途中から、この本の執筆を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は原発事故関連の研究に時間を割いていたので、都市の環境倫理に関する研究は遅れがちであったが、2年目の今年度は、関連する研究者へのインタビューや、現地見学、論文執筆なども進み、最終年度の目標である著書と報告書の発行に向けて大きく進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、引き続きインタビューを行う。都市の持続可能性については、千葉県職員の石渡正佳氏にお話をうかがう。都市の自然に関しては、香坂玲氏にお話をうかがう。また、都市のアメニティについては間宮陽介氏、宮本憲一氏にお話をうかがう。その内容を報告書にまとめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
著書刊行のための補助と、報告書の印刷費、それから研究会に関する事務とテープおこしのための人件費に多くがあてられる。
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Research Products
(5 results)