2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23720005
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
吉永 明弘 江戸川大学, 社会学部, 講師 (30466726)
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Keywords | 環境倫理 / 都市 / 持続可能性 / 自然 / アメニティ |
Research Abstract |
最終年度は、国内の著名な研究者にインタビューを行い、都市の特質について、都市のエコロジカル・フットプリントについて、都市のアメニティについて、理解を深めた。また、講演会を2回開催し、産業廃棄物問題と、商店街の衰退について議論した。それらを文字に起こして、報告書(『都市の環境倫理 資料集』)にまとめた。 この報告書には、研究期間を通して定期的に開催されたジェイコブズ読書会の読後レポート、鞆の浦についての研究協力者による論考、「レジリエンス」概念に関する書評も掲載されている。この報告書は、国内の環境問題研究者や都市研究者に広く配布された。 研究期間全体を通しての最大の成果は、研究実施計画に書いた通り、『都市の環境倫理ーー持続可能性、都市における自然、アメニティ』という著書を刊行したことにある。これまで環境倫理学の議論は、原生自然、里山的環境、資源環境に焦点が当てられており、都市環境はあまり話題にのぼらなかった。本研究は、「都市の環境倫理」をテーマ化し、それを持続可能性、都市における自然、アメニティという視点から検討していき、それを1冊の本として刊行したことで、日本の環境倫理学の歴史に新しい展開を拓いたといえる。 本研究を通して、現場を見ることができたこと(北九州、鞆の浦、真鶴)と、環境倫理学者以外の環境問題研究者や都市研究者と交流できたことも重要な成果だった。これらは直接に著書に反映されたものもあるが、直接反映されなくとも、著書の立論を下支えするものとなっている。
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