2011 Fiscal Year Research-status Report
現代新儒家と京都学派を中心とした東アジア現代哲学比較研究
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23720007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朝倉 友海 東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (30572226)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 中国・台湾・アメリカ |
Research Abstract |
最大の成果は、Philosophy East and West誌に、論文(Buddhistic Ontology)が掲載されたことである。これは、京都学派と現代新儒家の比較研究の基礎となる研究であり、掲載に続いて、海外の研究者からさまざまな反応を得ることができた。今後の研究はこの基礎のうえに進められることになる。また、日本哲学に関する大規模な国際学会 Japanese Philosophy as an Academic Discipline が香港中文大学にて開催され、参加および発表を行った。これは日本哲学の研究を世界の中で展開するにあたり重要な意味をもつ学会であり、また申請者は特に京都学派と現代新儒家の比較研究のもつ意味を明らかにすることで、参加者に一定のインパクトを与えた。おもに海外の研究者と活発な意見交換を交わすとともに、個人発表(Koyama and the problem of doctrinal taxonomy)を行った。さらに、論文「西田哲学と牟宗三の仏教的存在論」が『善の研究の百年』(京都大学出版会)に掲載され、京都学派研究者に、現代新儒家との比較研究のもつ意味を示すことができた。以上のような活動の結果、本研究が海外でも認知されるようになりつつあり、Dao Companionシリーズに英語での論文寄稿を依頼されることになった。これは目下掲載準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展している。資料の収集はほぼ計画にしたがって進んでおり、また研究者との交流も計画どおりに進んでいる。海外の研究者の招聘に関しては、大震災の影響と、所属機関の変更等が重なり、大きな環境の変化のなかで進展しなかったが、海外での学会発表や海外のジャーナルでの論文公刊が成功裡に終わり、また論文投稿も順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度にいくつかの研究成果を発表することで、さまざまな反応を得ることができた。本研究課題(京都学派と現代新儒家の比較研究)がもつ意味が、日本においても、また海外の一部の学者によっても、徐々に認知されてきていることを確認することができた。そのため今後は、申請者の研究成果に対する反応を受け止めてそれらに真摯に応答するなかで、さらに研究を深めることに集中する必要があるが、議論の進展とともに、さらに資料を収集することが必須の作業となってきた。目下、公刊をひかえて執筆中の数本の論文においては、海外の研究者との論争を展開していく予定であるが、論文執筆と並行して、今後も追加的に資料収集を続けていく必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として図書購入費が五十五万円、またコンピュータ関連で十五万円の計七十万円が必要となる予定である。また旅費として、三十万円が必要となる予定である。
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Research Products
(5 results)