2011 Fiscal Year Research-status Report
イングランド啓蒙における「保守派」女性の政治言説に関する思想史的研究
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23720046
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
梅垣 千尋 青山学院女子短期大学, その他部局等, 准教授 (40413059)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 女性 / 政治 / 保守主義 / 啓蒙 / イギリス |
Research Abstract |
本研究は、18世紀末のイングランドで「保守派」の立場から政治論を展開した女性思想家の存在を掘り起こし、その政治言説の分析を通じて、イングランドにおける「保守的啓蒙」の広がりとその内部の緊張を明らかにするものである。具体的には、フランス革命の勃発を契機として、1790年から1805年にかけて旧体制の維持や権威への服従を呼びかけた女性著述家たちの思想を分析対象とする。初年度にあたる本年度は、大きく分けて次の二面から研究課題に取り組んだ。(1)保守派言説全般についての基礎的調査として、研究史の成果をまとめながら、18世紀イギリスにおける保守主義の諸系譜を整理するとともに、フランス革命論争における保守派言説の変容をめぐる研究史上の論点を析出した。これらの作業は、1790年代に政治論を展開した保守派女性たちが、名誉革命体制下におけるさまざまな系譜をどのように引き継いだのかを分析するための準備作業として位置づけることができる。(2)代表的な保守派の女性論客であるハナ・モアに関する一次文献の渉猟をおもな目的として、オーストラリア国立大学への海外出張による史料調査をおこなった。とくにハナ・モアがウィリアム・ウィルバーフォース、ザカリー・マコーリらと交わした書簡と、1794年に書いた日記は、アメリカの各大学図書館に分散して保存されているが、今回の出張ではマイクロフィルムの複写により、これらの史料をまとめて入手することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の前半は、本研究の開始以前から取り組んでいたメアリ・ウルストンクラフトに関する単著の出版にエネルギーを費やすことになったため、史料調査の時期が若干遅くなった。そのため、保守派の攻撃対象となった急進派女性の思想的特徴を明らかにすることはできたものの、海外出張で得られた史料の細かい精読・分析は今後の課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、本年度の海外出張により入手した史料の細かい精読・分析をおこない、先述のような研究の遅れを取り戻す。その後、当初の計画どおりに一次文献の史料調査や、ハナ・モア、ジェイン・ウエスト、へスター・ピオッツィという3名の「保守派」女性の政治言説の精読・分析を進めていくこととする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、代表者が本務校の「内地留学」制度の適用を認められ、他の研究機関をおもな拠点としていたため、購入予定であった物品の発注をめぐり、本務校の事務とのあいだで連絡ミスが生じてしまった。購入が遅れた物品については、当初の希望どおりに発注し、次年度の研究費のなかで処理することとする。そのほかの研究費については、当初の計画どおりにイギリスへの海外出張や必要な文献購入などにあてる予定である。
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Research Products
(3 results)