2013 Fiscal Year Research-status Report
イングランド啓蒙における「保守派」女性の政治言説に関する思想史的研究
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23720046
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
梅垣 千尋 青山学院女子短期大学, 現代教養学科, 准教授 (40413059)
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Keywords | 女性 / 政治 / 保守主義 / 啓蒙 / イギリス / フランス革命 |
Research Abstract |
本研究は、18世紀末のイングランドで「保守派」の立場から政治論を発表した女性思想家の存在を掘り起こし、その政治言説の分析を通じて、イングランドにおける「保守的啓蒙」の広がりとその内部の緊張を明らかにすることを目的とするものである。三年目となる本年度は、フランス革命の勃発を契機として、1790年代から1805年ごろにかけて既存の名誉革命体制の維持や宗教的権威への服従を呼びかけた女性著述家、ハナ・モア、へスター・ピオッツィ、ジェイン・ウエストの3人に注目した。彼女たちの著作、日記、手紙などの一次文献を精読することで、女性でありながら政治的な「公論」に加わることを、彼女たちが少なくとも主観的にはどのように自己正当化していたのかを考察している。それと同時に、昨年度に引き続いて、女性がみずからの「思想」を「公論」の場に呈示するうえでの主体形成の過程をつかみとるための理論的な検討もすすめた。そのなかで、これまでの思想史研究において暗黙のうちに研究対象として措定されてきた「知的主体」をジェンダーの視点から批判的にとらえなおすことの重要性、また、一般にオリジナルな「思想」をみずから生みだす力がないとされてきた女性たちが、同時代のさまざまな知的資源を動員しながら、いかに創造的な方法で自分自身の女性としての経験を意味づけ、「女性論」とよばれるものをかたちづくっていったのかを読み解くことの意義を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象を絞ることで個別的には問題が明確になったが、女性の「公論」参加をどのような枠組みでとらえるのかという大きな理論的問題との関連がかならずしも十分に導きだせていない。
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Strategy for Future Research Activity |
史料の分析・精読をおこないつつ、理論的な整理をすすめていく。とくに、思想史研究において女性を対象とすることが、どのような意義をもちうるのかを明らかにすることで、方法論的な貢献をおこないたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定であった書籍が予定どおりに出版されなかったため。 購入予定であった書籍が出版され次第、これを購入する。
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Research Products
(1 results)