2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720054
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡沼 玲史 早稲田大学, 演劇博物館, 助手 (50419751)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ダンス / 即興 / 実験的創作法 / ウィリアム・フォーサイス / コンテンポラリー・ダンス |
Research Abstract |
本年度は当初の計画通り、アメリカで舞踊の実験的創作法を実践したジャドソン・ダンス・シアター及びグランド・ユニオン、ポスト・モダンダンスの活動をニューヨークのニューヨーク大学Fales Librery及びニューヨーク公共図書館において資料収集を行い、貴重な資料を閲覧・収集することができた。その資料群を分析した結果、本研究が目的とする実験的創作法の詳細な分析が可能となるような、創作法に関する詳細な記述がほとんど存在しないことが判明した。このため予定通りに研究が進まない時のための計画通り、詳細な記録が存在する振付家ウィリアム・フォーサイスに研究対象を絞って研究をすすめることとした。本年度は実験的な創作法の詳細な記録が存在する近接分野である現代音楽との比較研究を進めた。現代音楽は特にジャドソン・ダンス・シアターに於けるジョン・ケージの影響に顕著に見られるように、多くの実験的な創作法を試みる振付家が直接的・間接的に影響を受けていることが明らかであり、比較に適した対象である。今年度はウィリアム・フォーサイスに於ける実験的な創作法と、現代音楽の一手法としてのセリー主義を比較し、研究を進めた。その結果、フォーサイスに於ける複数セリーのランダムアクセスによる舞踊の自動生成という側面が明らかになった。しかし、同時にこの自動生成が身体という固有の限界を持つ媒体によって実現されるために様々な過剰と不足を含みこまざるを得ず、その結果単なる順列組み合わせとは異質のダンスが生まれていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りニューヨーク大学Fales Libraryとニューヨーク公共図書館においてジャドソン・ダンス・シアター、グランド・ユニオン、ポスト・モダンダンスの資料を確認することができた。その結果本研究に適した資料がないことが判明した。とはいえ、この事態は予想可能なものだったため、研究計画にあった計画変更に基づいて対処することが可能であり、その結果フォーサイスとセリー主義の比較研究から、フォーサイスの実験的創作法に於ける新たな側面を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、予め考慮してあった計画変更に基づき、ウィリアム・フォーサイスに対象を絞って研究をすすめる。またその際昨年度の研究において成果の上がった現代音楽との比較研究を更にすすめる。また、ウィリアム・フォーサイスに関して、さらなる資料収集をすすめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ウィリアム・フォーサイスに関する資料を収集するための海外出張費、及び資料収集費、インタビュー謝金として研究費を使用する。
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Research Products
(1 results)