2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23720054
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
渡沼 玲史 一橋大学, 大学院法学研究科, 助手 (50419751)
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Keywords | ダンス / 舞踊 / 実験的創作法 / 即興 / ウィリアム・フォーサイス |
Research Abstract |
平成25年度は、平成24年度までに調査に基づき、ケルン・タンツアルヒーフとロンドン・ラバンセンターで資料調査を行った。ケルン・タンツアルヒーフではウィリアム・フォーサイスの≪インプロヴィゼーション・テクノロジー≫のオリジナル・ヴァージョンを確認し、CD-ROM版との異同を調査することができた。またフランクフルト・バレエ団のダンサーであったニック・ハフナーが寄贈した資料を調査し、フランクフルトバレエ団が《失われた委曲》を制作した際にドラマトゥルクであったハイディ・ギルピンが制作した未刊行の資料集の中身を確認することができた。またロンドン・ラバンセンターでは、ウィリアム・フォーサイスが《失われた委曲》を制作した際に用いたさまざまな資料を調査することができた。確認できた資料は、ダンサーたちが書き込みを加えたフォーサイスによるスケッチや制作当時の記録映像、ロズリン・ズルカスによるフォーサイスのインタビューのテープ起こし、書き込みが入ったルドルフ・フォン・ラバンの"Choreutics"のコピーなど多岐にわたった。 以上の資料群から、1,≪インプロヴィゼーション・テクノロジーズ≫の生成過程、2,複数セリーのランダムアクセスによる舞踊の自動生成という創作法に至るまでの生成過程、3,≪失われた委曲≫の制作過程を解明できると考える。特にこれまで主として実験的創作法の形式的な側面に注目して研究をすすめてきたが、生成過程を知ることによって実験的創作法を貫く動機や原理をより詳細に解明できるようになる。しかし、収集できた資料が多く未だ詳細な分析は終了していないが、今後研究を進めるにあたって貴重な資料が収集できた。
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