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2011 Fiscal Year Research-status Report

中世イタリア観相学思想に基づく視覚表象文化の再検討

Research Project

Project/Area Number 23720069
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

黒田 加奈子  千葉大学, 人文社会科学研究科(系), 特別研究員 (90571604)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords美術史 / 観相学思想 / 国際情報交流 / イタリア
Research Abstract

まず、本研究課題の出発点として前年より継続して行ってきた、「古代から中世の科学言説にみられる乳房/乳についての議論」の総括を今年度8月に青弓社より上梓した。さらに、12世紀ルネサンスに至る観相学の系譜とその構造自体の把握につとめ、国内で入手できる文献の入手、検証を行った。しかしながら、国内で入手できる先行研究には少なからず限度があり、とくに、観相学と美術研究の方法論ケースの検証という視点もあわせ持って先行研究を渉猟したが、乏しい事例しか見出すことができなかった。 そこで、当初の計画では、13世紀後半にイタリアで成立した、マイケル・スコットの『観相学』、ピエトロ・ダーバノの同名著作をはじめとする観相学テキストの全文入手のため、イタリアでの現地調査を行う予定であったが、先行研究のさらなる把握と、とくにマイケル・スコットの観相学の研究動向を知るために、調査地をロンドン大学ウォーバーグ研究所に変更して行った。同研究所においてヨーロッパ科学史におけるイスラム世界の影響について研究を行い、マイケル・スコットに関しても数多くの論考を発表しているチャールズ・バーネット教授に助言を仰いだ。現存するマイケル・スコットの一次史料と現在の研究動向、また対象時代の占星術図像における観相学的研究の可能性について、同氏と意見交換を行い、結果これまでの調査では対象としていなかった、一次史料についての示唆を受けた。さらに同研究所において、さらなる先行研究の入手、示唆を受けた一次史料に関する関連研究の渉猟を行った。この結果、美術史における観相学的研究の動向についておおむね把握し、テキスト入手と解釈を行う史料の対象を拡大することとした。 さらに、調査地を変更したことにより、次年度に計画していた占星術図像学の先行研究へのキャッチアップを行い、かつ同研究所の写真図書館において関連図像の収集をおこなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度計画のうち、先行研究の把握に関して、国内で入手可能な関連文献に限界があったため、先行研究把握には1月に実施することができた海外調査の結果を待たねばならず、当初計画よりも時間を要したが、調査対象とする一次史料の存在が新たに判明するなど当初計画よりも得られた収穫は大きかった。 また、上記の理由、およびロンドン大学ウォーバーグ研究所の閉鎖・移転報道を受けて、当初予定していた調査地を変更し、平成24年に実施予定だった占星術思想に関連する図像収集及び先行研究へのキャッチアップを前倒して行うことができた。このため、今年度予定としていた、一次史料の現地での入手を次年度に行う計画である。

Strategy for Future Research Activity

今年度購入予定とした資料のうち、入手経路確定に時間を要したため、購入を次年度へ繰り越した資料が複数あるため、早急に購入手続きを取る。また、海外調査について、平成23年度に予定していた調査地であるイタリアの各都市(パドヴァ、ボローニャ)に一次史料入手のために赴くが、今年度実施したロンドンでの図像収集作業を補完するためにも、フィレンツェにあるドイツ美術史研究所での調査も行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初の計画では、15泊をかけてロンドンでの調査を1度行う予定であったが、調査をおこなう都市をパドヴァ、ボローニャ、フィレンツェとし、20泊かけて行う。 また、調査時には都市間の移動が多くなるため、撮影したイメージの閲覧を容易にできるよう、小型PCあるいはipadの購入を検討する。くわえて、収集したイメージの管理保管のため、データベースソフト、およびハードディスクなどの記憶媒体の購入を検討する。 さらに、今年度購入経路を確認した一次史料のファクシミリ版、および関連資料について、購入を依頼する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Book (1 results)

  • [Book] ひとはなぜ乳房を求めるのか 危機の時代のジェンダー表象2011

    • Author(s)
      山崎明子、黒田 加奈子、池川玲子、新保淳乃、千葉慶
    • Total Pages
      23~61
    • Publisher
      青弓社

URL: 

Published: 2013-07-10  

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