2012 Fiscal Year Annual Research Report
明治大正期の欧米での日本人美術商の活動に関する調査
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23720094
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山本 真紗子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, ポストドクトラルフェロー (70570555)
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Keywords | 美術商 / 近代 / 日本美術 / 池田清助 / 稲田賀太郎 / 在外日本美術 |
Research Abstract |
本研究は、(1)京都の美術商池田清助(初代、2代)とそのコレクションに関する調査(2)池田の社員であった稲田賀太郎の活動についての調査から構成されている。とくに海外に残された資料の発掘とその調査をおこなった。 2012年度は池田清助(初代、2代)のコレクションのうちのうち、Jane Lathrop Stanford(1828~1905)が購入した品々についての調査をおこなった。このコレクションは彼女が設立したスタンフォード大学に寄贈され、現在は同大学内Iris & B. Gerald Cantor Center for Visual Artsに所蔵されている。2012年8月18日~8月26日にかけ現地調査を行い、池田コレクションの閲覧と、Jane Lathrop Stanford関連資料の閲覧をおこなった。1904年に439点のコレクションがスタンフォード大学博物館に収蔵され、現在は216点が残る。今回はそのうち絵画・漆器作品を中心に実見調査を行った。また同大学内で実施した関連資料の調査では、来日時の記録や関連資料、池田からの購入品の価格や購入時期を示す手紙などの閲覧をすることができた。 本研究を通じて、池田・稲田の国外での活動を一部明らかにすることができた。上記の調査の内容は、過年度の調査内容とあわせてその一部を口頭発表し、また報告書として発行した。報告書は稲田賀太郎の英・仏での活動(日本美術研究書執筆・浮世絵展覧会監修等)と、日米に残る池田コレクションを中心にまとめている。在外資料の調査の結果については、2013年度にも論文としてまとめ、投稿を予定している。また、上記調査の予備調査としておこなった、明治期末から第二次大戦開戦ごろまでの日本人美術商のアメリカでの活動についての調査も、論文としてまとめている(2013年3月末掲載決定、同年6月発刊予定)。
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Research Products
(3 results)