2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720095
|
Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
白井 麻子 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (30551741)
|
Keywords | 芸術振興 / 地域交流 / 評価基準 / ファシリテーター |
Research Abstract |
本年度は、コミュニティダンスの評価基準を作成するための基礎的な研究として、平成23年度に行われたコミュニティダンスの事例を分析し、また本年度行われたコミュニティダンスの事例の調査を主の研究として行った。海外での資料収集は、イギリスでの実践、サポート団体の役割、学校教育におけるコミュニティダンスの教育という視点で、渡英した。また、協力者と共に、日本における評価基準の検討を実施した。本年度の成果の一部を学会発表し、意見交換の機会を得た。 本年度は、沖縄市で行われたコミュニティダンスの事業を対象として資料収集をした。方法は、パフォーマンス当日の観察、映像による記録、参加者、ファシリテーター、その他の関係者へのインタビューである。海外の調査は、イギリス・オックスフォードにて、セシリア・マックファーレンによるコミュニティダンスクラス、イギリスのコミュニティダンスのサポート団体や、ダンス教育機関での資料収集を行った。 平成23年度から継続研究をしている事例は、観察、自由記述によるアンケート、研究者が作成した質問紙による研究を行った。この結果は、コミュニティダンスの参加者に影響を与える要因には、作品、アーティスト、参加者、観客、制作者といった関係が浮かび上がり、芸術振興や、地域交流のなかに、自己を高める力や、他者関係を意識すること、表現する喜びを味わうことなどの影響を与えている可能性が明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、評価基準案を作成し、試験的運用を試みることであった。しかしながら、前年度に行った調査の結果、資料収集の方法についての見直しとコミュニティダンスの事例の枠組みを明らかにする必要であったため、本年度での試験的運用の方法については、修正を加えることとなった。しかしながら、本研究での調査は、資料収集の方法に若干の修正を加えたことにより、新たな視点での発見ができたといる。よって、おおむね順調として、評価とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は、7月に実施される沖縄市のコミュニティダンスの事例において、作成した評価基準案を運用し、その妥当性を測る。その結果を用い、評価基準を作成することを最終目的とする。 研究計画では、コミュニティダンスを実験的に行い、評価基準案を運用する予定であったが、時期、規模など研究に適したコミュニティダンスが行われるため、この事例を第1の研究対象とすることとした。 評価基準を作成するにあたり、コミュニティダンスの構造や、ファシリテーターの役割についての、分析を行ってきた。これらの研究結果のまとめについても、今後の課題とする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、本調査を、7月に沖縄で実施されるコミュニティダンスの事例を対象に行う。ビデオによる資料収集、調査対象者への謝金、調査協力者への謝金として費用を計上している。また、年度末に向けて、評価基準を最終的に作成する段階として、コミュニティダンスプロジェクトを実施する経費とする。 また、本研究で得られた評価基準を含め、コミュニティダンスのファシリテートや、事例の実践方法についてのハンドブックを作成する経費とする。
|
Research Products
(1 results)