2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23720095
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
白井 麻子 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (30551741)
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Keywords | 芸術振興 / ダンス / コミュニティ |
Research Abstract |
最終年度は、コミュニティダンスの事例において、前年度の調査結果より作成した評価基準案を試験的に運用し、評価基準を作成することが目的であった。最終年度は、二つの本調査を実施した。 調査1では、参加対象者を調査の中心とし、平成25年度にA,B市で開催されたコミュニティダンスの事業において、評価基準案を組み込んだアンケート調査を実施した。その結果、コミュニティダンスの目的でもある、他者との出会い、新しいことへの挑戦、創造的な活動に関しては、A,B市ともに高い評価であった。一方、地域の活動としての参加に関しては、差が見られた。これは、主催団体、参加者の属性、実施会場の公共性の違いが影響していると考えられる。これらのことから、評価基準の作成において、舞踊を含めた異文化に触れる体験、個々の参加者自身の変化、地域や他者とのつながりという観点で評価をすることが重要であることが明らかになった。 調査2では、劇場の舞台で発表経験をするコミュニティダンスの事業の実験を行った。調査方法は、C市の劇場で実施するコミュニティダンス事業の参加者を集い、その参加体験に関して質問紙調査を実施した。質問紙は、コミュニティダンスの評価基準として抽出された12の選択肢から参加者が強く感じた内容を選択する設問の他、自由記述による感想である。これらの結果より、C市で実施したコミュニティダンスの事業は、自己理解や気づきなどの生涯学習としての役割が強いが、一方で地域へのつながりには、貢献できていない事業であったという結果が明らかになった。 調査1、2の結果を通じて、参加者側からのコミュニティダンスの評価基準の作成する段階まで到達することが出来た。しかしながら、多様化するコミュニティダンスへの応用には、検討の余地が残っていると考える。また、運営側や第三者評価という視点においては、補足調査が必要であり、今後の課題としたい。
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Research Products
(2 results)