2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23720100
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
兼岡 理恵 千葉大学, 文学部, 准教授 (70453735)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 風土記 / 受容 / 地誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、最終年としてこれまでの研究成果を論文化および発表した。 「風土記をいかに研究するか―本文研究・研究史の視座から―」(『上代文学』112号 平成26年4月)は、2013年度上代文学会シンポジウムでの発表をもとにした論考である。風土記研究の問題点である本文研究の困難さについて指摘した上で、それを説く方法として逸文研究の可能性を指摘するとともに、各地域における在地資料調査の重要姓について、『播磨国風土記』『出雲国風土記』を具体例として論じた。「今井似閑の人物像―堀景山『不尽言』の一挿話を中心に―」(『語文論叢』第29号 平成26年7月)は、近世における風土記研究において逸文収集を構築的に行った人物、今井似閑について、『不尽言』に言及された今井似閑の挿話をもとに、彼に対する同時代の評価を確認した上で、似閑の業績に関する再評価を行った論考である。また「日の神としてのアマテラス」(鈴木健一編『天空の文学史』三弥井書店 平成26年)では、神話に登場するアマテラスの日の神としての性質について、記紀神話はもとより『播磨国風土記』における記述を分析した。 さらに、千葉大学アカデミックリンクセンター共同開発部門と協力し、風土記デジタル地図を開発した。これは大学講義や市民講座などで風土記を講義する際、視覚的にわかりやすい教材として、Google Earthを利用して作成したものである。実際に大学講義で使用するとともに、その成果を日本デジタル教科書学会2014年度年次大会(於:新潟大学教育学部附属新潟小学校 平成26年8月17日)において発表した。 上記の実績をはじめ、本研究の成果をふまえた著作として、『風土記の世界像(仮題)』を、吉川弘文館より2015年度に刊行予定である。
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Research Products
(7 results)