2014 Fiscal Year Annual Research Report
ホーソーンと南北戦争前アメリカのコンテクスト――ジェンダーの観点からの研究
Project/Area Number |
23720151
|
Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
藤村 希 亜細亜大学, 経済学部, 講師 (30509237)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 / アメリカ / ナサニエル・ホーソーン / 南北戦争 / ジェンダー / 評伝研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナサニエル・ホーソーンの生と作品の軌跡をジェンダーの観点から辿るとともに、作家の生きた南北戦争にいたる時代のアメリカの社会と文化の特異性を浮き彫りにすることを目指す本研究の最終年度は、研究期間延長の際に希望していた平成26年6月の米国ナサニエル・ホーソーン協会によるマサチューセッツ州ノースアダムズにおける学会への参加が諸般の事情により困難となり、代わりに、これまでの研究期間中に行ったThe Marble Faun, “Chiefly about War-Matters,” The Elixir of Life Manuscriptsに関する口頭発表を元に、1850年代後半以降の作家晩年の作品を一貫した創作活動として再考し、それ以前のホーソーン作品とも関連づけながら論文にまとめる作業を集中的に行った。その際、これらの作品とホーソーン晩年に大きな影響を及ぼした南北戦争に関する資料の調査を並行して進め、以下の二種類の成果があった。 1.ホーソーン晩年の作品群の全体像を視野に収めた各作品論の執筆。これらの論文は、平成26年度から現在にいたるまで、学会誌に投稿を行っている。これらの論文を元にまとめることを目指すホーソーン研究書については、現在、出版社と交渉中である。 2.南北戦争への応答に焦点を当てたホーソーンと他の作家との比較考察。平成26年度中には、同時代の女性詩人エミリー・ディキンソンの詩作品に見られる南北戦争への応答とその表現を、ホーソーン作品との共通点に注目して考察した論文が紀要に採用された。また、今後の研究課題として関心を抱くようになった南北戦争を通じたホーソーンと他作家との関係を、20世紀の南部作家ウィリアム・フォークナーとの比較に探る論文のプロポーザルは、ホーソーン没後150年を記念する日本ナサニエル・ホーソーン協会の論文集に採用され、現在論文本体を執筆中である。
|
Research Products
(1 results)