2014 Fiscal Year Annual Research Report
大戦間期ガリツィアのポーランド系ユダヤ人作家、画家の芸術思想的系譜とモダニティ
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23720174
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
加藤 有子 名古屋外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90583170)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ガリツィア / ポーランド文学 / ユダヤ文化 / モダニズム / リヴィウ / ウクライナ / イディッシュ語 / 中欧 |
Outline of Annual Research Achievements |
ガリツィア地域のイディッシュ語作家の活動と、アメリカやパリのモダニズム文学との関係性について考察した。ガリツィアのイディッシュ語詩人デボラ・フォーゲルの作品に応用される「モンタージュ」概念については、すでに中心都市リヴィウの美術界の地域的ブームのなかで考察している。今回はそれを世界的なモダニズムの潮流に位置付ける試みである。客員研究員として参加するモダニズム研究会の会合等を通し、考察の枠組みを作るところまで進めたが、先行研究がまだ少ない対象であることに加え、一次資料のあるアメリカでの渡航調査が日程の関係上ままならなかったこともあり、この研究は今後の継続課題とする。 夏にはポーランド、ウクライナのリヴィウの図書館、美術館で資料収集を行った。リヴィウでは、同地がポーランド領となった両大戦間期のユダヤ、ポーランド文化遺産の現状も実地調査した。
最終年度のまとめとして、リヴィウの国立美術ギャラリー学芸員のヴィタ・スサク氏を招聘し、一般公開の講演・研究会を行った。東京大学ではガリツィアの文化状況について、リヴィウ美術館のコレクションを手掛かりに基調講演していただいたうえで、自身もリヴィウの文化状況について報告し、参加者と意見交換をした。東京外国語大学では、20世紀初頭のエコール・ド・パリの画家のうち、ガリツィアを含めたウクライナ地域出身者の活動をウクライナという視点から再考する特別講義をしていただいた。日本では一般になじみがない地域でもあり、ウクライナの現状も含めて活発な議論の場となった。これらの成果はヴィタ氏の原稿も合わせて、今後、刊行予定である。 このほか、リヴィウ出身の画家ルドヴィク・リレの未刊行原稿に解説をつけて新資料としてポーランド語で発表したほか、ガリツィア出身の作家ブルーノ・シュルツに関する研究をポーランド語、英語で刊行した。
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Research Products
(6 results)
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[Book] Bruno Schulz jako filozof i teoretyk literatury: Materialy V Miedzynarodowego Festywalu Brunona Schulza w Drohobyczu2014
Author(s)
Ariko Kato, Wiera Meniok, Adam Michnik, Dawid Grossman, Taras Prochasko, Wiktor Jerofiejew, Stanislaw Rosiek, Jerzy Jarzebski, Henryk Siewierski, Olga Czerwinska, Maria Zubrycka, Maria Moklycia, Jan Gondowicz, Malgorzata Smorag-Goldberg, Stanley S. Bill, Shalom Lindenbaum, Dorota Glowacka, Lajos Palfalvi他23名
Total Pages
782 (466-478)
Publisher
Drohobycz: Polonistyczne Centrum Naukowo-Informacyjne im. Igora Menioka Panstwowego Uniwersytetu Pedagogicznego im. Iwana Franki w Drohobyczu