2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23720176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 恵子 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (10600223)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ロシア文学 / 亡命文学 / 国際情報交換 / ロシア:アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成26年度は、アメリカ出張を含めた前半まではおおむね順調に研究を進めることができたが、後半は諸事情により順調には進まなかった。 平成23~24年度は主として日本国内にある資料の探索と入手を行い、平成25年度はロシア国内の主要二都市(モスクワ、サンクトペテルブルグ)で資料収集調査を行った。その結果を踏まえて、平成26年度は9月に2週間程度のアメリカ出張を行い、米国における亡命ロシア文学関連の資料収集調査を行うと共に、キーパーソンとの接触を試みた。まず、コネティカット州のイェール大学バイネキー図書館において、亡命ロシア詩人ヨシフ・ブロツキイのアーカイヴに保管されている彼の手稿および亡命ロシア作家アレクサンドル・ソルジェニーツィンとの往復書簡などの調査を綿密に行った。もっとも、以下の二つの理由により調査は十分に行えなかった。①バイネキー図書館は2015年中の大規模なリノベーションを控えており、一部の資料が閲覧できなかった。②ブロツキイの資料は別館に保管されているため、取り寄せに数日かかると言われ、出国前に予約した10ボックス分しか閲覧できなかった。もっとも、見るべきボックス数は100以上あり、1ボックス(20~30のファイル所蔵)を調査するのに半日かかることを考えると、短期の出張ではとても時間が足りないことが判明した。次に、ニューヨーク市にある「ブロツキイ財団」の管財人に会い、インタビューを行うと共にそれまで入手できなかった貴重な資料の提供を受けた。なお、氏を紹介してくれたのは、平成25年に訪れたロシアの「アフマートワ博物館」の職員である。その後、アメリカ出張を経て新たな展望が見えてきたため、1月に北海道大学図書館で改めて資料調査を行った。 しかし、今年度後半は家庭の事情により(家族の発病など)、研究成果を思うようにまとめることができなくて残念だった。
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