2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720190
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
大東 和重 関西学院大学, 法学部, 准教授 (60434859)
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Keywords | 台南 / 台湾 / 文学 / 植民地 / 日本文学 / 外国文学 |
Research Abstract |
本年度は、研究課題「台南文学の研究‐日本統治時代の日本語文学を中心に」について、以下の実績をあげることができた。 (1)研究成果の公表:中国文芸研究会の例会(同志社大学、10月)において、「植民地の地方都市で、読書し、文学を語り、郷土を描く‐日本統治下台南の塩分地帯における呉新榮の文学活動」と題して口頭発表を行った。また、その内容を論文にまとめ、日本文学協会の学会誌『日本文学』第61 巻第11号(11月)に、「植民地の地方都市で、読書し、文学を語り、郷土を描く‐日本統治下台南の塩分地帯における呉新榮の文学」と題して掲載した。この発表・論文は、戦前の台南で活躍した作家呉新榮の文学活動について、一、読書経験、二、文学ネットワーク、三、郷土台湾を描く文学、の三点から分析したものである。日本統治期の台南文学について、さらに続稿を準備しており、継続して公表して行きたい。 (2)資料・書籍の購入と分析:本年度は、科学研究費助成事業を利用して、植民地・日本文学・外国文学・比較文学と関わる資料や研究書を購入することができた。現在これらの資料や先行研究の分析を順次進めている。 (3)資料の調査・収集と分析:12月に台南の台湾文学館や台南市立図書館、台北の国立台湾図書館で、関係する資料の調査・収集を行ない、台南文学と関わる資料や書籍を閲覧できた。現地の図書館のみが所蔵する資料・書籍も多く、成果があった。また、現地の文学研究者と意見を交換するなど、大きな収穫があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度につづき、成果の一部「植民地の地方都市で、読書し、文学を語り、郷土を描く‐日本統治下台南の塩分地帯における呉新榮の文学」を公表できた。これは、「台南文学の研究‐日本統治時代の日本語文学を中心に」で予定している主要な研究対象、日本人作家の佐藤春夫・西川満・庄司総一・新垣宏一・前嶋信次・國分直一ら、台湾人作家の呉新榮・楊熾昌・劉吶鴎・王育徳・葉石濤・邱永漢らのうちの一人に関する研究である。また、今後台南文学研究を進める上で必要な、資料の収集、現地での調査も順調に進んでいる。来年度も継続した成果の公表が望める状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在研究は順調に進んでおり、継続して、(1)研究成果の公表、(2)資料・書籍の購入と分析、(3)現地における資料の調査・収集を進める。「台南文学の研究‐日本統治時代の日本語文学を中心に」で予定している研究対象のうち、本年は特に日本人作家の、佐藤・西川・新垣の研究を重点的に進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費を大きく、(1)資料・書籍の購入、(2)現地における資料の調査・収集に分け、経費全体のうち6割程度を(1)に、4割程度を(2)に充てる予定である。数多くの作家を対象とし、比較文学の手法を用いるため、多くの関連する台湾・日本・外国文学関係の資料・書籍を購入する必要がある。また、関連資料を台湾の図書館等で調査する必要があり、現地で5・6日間程度の調査を行う予定である。
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Research Products
(2 results)