2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720214
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田中 幹大 昭和大学, 富士吉田教育部, 講師 (10555072)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 心理言語学 / 国際研究者交流(イギリス) / 言語産出 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトでは、英語と、文構造が異なる日本語を話すバイリンガル話者の文産出を、心理言語学の観点から研究することで、言語によって共存する構造が限られるという統語分離説と、人間の認知システムの一部としてどのような言語情報も共存されている統語共存説の2つの仮説(ならびにそれらに相当する言語産出に関する仮説)を検証する。平成23年度は、先行研究の再調査と仮説の決定し、絵画描写実験用の刺激文の作成を行った。その後作成した刺激が正しく意味判断されるかどうかを、アンケート調査を通じて調査し、そのデータを元に、心理実験用のプログラムを組み、動作確認を兼ねた予備実験を行った。その結果をもちいて、実験プログラム、提示方法、実験時間の配分等の調整を行い、日本国内において、日本人を対象とした実験を行った。実験実施のほかには、積極的に国内外の学会に参加した。国内では、名古屋大学( 'Sentence production and structural priming: A introductory review', Talk presented at the Cognitive NeuroPsychology Society, Nagoya, Japan, August 2011)や関西学院大学('What is structural priming? ', Talk presented at the KCP conference, Kwansai Gakuin University, Osaka, Japan, November 2011)で研究成果について発表した。さらには、海外の学会(AmLaP 2011, Paris, France) に参加し、最新の研究方法や理論を学ぶと共に、研究者との交流を図り、活発な意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年の研究計画に従い、当初の計画通りに、絵画描写実験用の刺激文の作成、刺激の意味判断の是非を問うアンケート調査の実施、心理実験用のプログラムを使用した予備実験を実施した。当初の研究計画予定であった、海外での行動実験の実施はまた行えていないものの、国内で本実験を実施しながらも分析を進めており、今後はその結果をもちいて海外での実験を行うことができると確信している。さらには、研究計画の予定通りに国内外での学会にも積極的に参加した。研究結果を発表するのみならず、最新の研究内容について活発に議論し合うことで、新しいアイデアを取り入れることもできている。よって、研究は当初の計画と比べても、おおむね順調に進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の本研究課題の今後の推進方策は、既に実施されている本実験1を確実に終了させ、その実験データを掘り起こし、統計解析を行い、論文執筆や学会発表といった成果発表を行うことである。まず、既に国内で実施されている本実験1(英語から日本語への文産出実験)を継続しつつ、本実験2(日本語から英語への文産出実験を海外でも実施する予定である。実験を実施した後、必要な実験データを収集したところで、録音したデータの掘り起こし、統計解析を行う。また、追加実験が必要な場合には、必要に応じて実験期間を延長して行う。また、研究内容の討議を行うため、エディンバラ大学へ渡英する予定である。万が一終了しなかった本実験1や2の続きはここで行う。実験データの解析が終了した時点で、最終年度の研究の総括を行い、国内外の学会で成果発表を行うために準備を行う(9月と3月)。また国際学術雑誌の投稿(Cognition、または Journal of Memory and Language)のため、論文作成の準備にかかる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画は以下の通りである。1 実験実施に伴う研究費の使用国内外で行動実験を行うため、その際に必要な旅費や滞在費を研究費から使用する。また実験を実施した際に、参加された被験者へ謝礼金を支払うために研究費を使用する。その他には、行動実験を実施し実験データを収集したところで、録音したデータの掘り起こし、統計解析を行い、実験実施の際に随時必要となる実験装備や文具などにも研究費を使用する。2 研究成果に伴う研究費の使用行動実験のデータを分析した研究成果の発表を行うために国内外の学会に参加する予定で、その際の旅費や滞在費として使用する。
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Research Products
(5 results)