2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23720215
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
千葉 謙悟 中央大学, 経済学部, 准教授 (70386564)
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Keywords | 中国語学 / 音韻史 / 湖北方言 / 漢音集字 / 欧文資料 / イタリア資料 / 英語資料 |
Research Abstract |
今年度の成果は三つある。一つはIngle Hankow Syllabary(1899)の分析を発表したことである。この発表では『漢音集字The Hankow Syllabary』の音系を分析して19世紀最末期の湖北方言を明らかにした。『漢音集字』は漢口方言を反映するが、『湖北方言調査報告』(1948、ただし漢口の調査年は1936)においてはすでに見られない特徴を見いだすことができた。例えば通摂入声だけではなく遇摂の一部にも-ungと標音される音節があったり、果摂疑母字に合口の音節が出現したり、「熱」をraoと標音したりする点である。 二つ目はイタリア語資料を用いて20世紀湖北方言の音韻を分析したことである。すでに19世紀中頃のイタリア語資料『三字経』(1869)を分析しているが、今回の成果と対照させることで湖北方言音韻史についての時間的な幅と分析の精度を向上させることを狙いとしている。利用した資料はDe Nino PiccoloのVocabulario Cinese-Italiano(1925)やLandiのPiccolo Vocabulario Italiano-Cinese (1939)である。いずれもイタリア人による中国語-イタリア語の対訳辞書であり、漢字に振られたローマ字標音から音韻を分析した。これについての報告は平成26年度中に行うことを目指している。 第三にScarborroughのA Collection of Chinese Proverbs(1875)を入手したことである。これは湖北でよく聞かれる中国語のことわざや成語を集成したもので、おのおのの漢字の脇に湖北方言によるローマ字標音を付し、全体の英訳を与えるものである。A Collection of Chinese Proverbsは当時の音韻を知る資料として一定の価値を有すると思われ、この分析にも着手した。
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Research Products
(1 results)