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2011 Fiscal Year Research-status Report

日本語疑問文の史的変化についての言語学的研究

Research Project

Project/Area Number 23720229
Research InstitutionFukuoka University

Principal Investigator

衣畑 智秀  福岡大学, 人文学部, 講師 (80551928)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords疑問文 / 日本語史 / 例示 / 係り結び / 琉球語
Research Abstract

本研究は、日本語史の記述から一般言語学への貢献を目的としている。日本語史の記述としては、得られたデータを客観的な基準で分類し、今後の日本語史研究でも利用できるようなデータベースの公開を目指している。また、言語学的な貢献としては、琉球語との対照も行い、歴史変化を形式の交替としてではなく、話者の文法知識の再編として説明する。 このような目的のもと、今年度は、疑問文のデータベース化及び琉球語宮古島北部方言の調査を行った。疑問文のデータベース化については、大学院生をアルバイタとして雇い、平安時代から室町時代までの疑問文について、助詞の有無、構文的位置、疑問詞の有無などについて、データ入力を行った。宮古島北部方言の調査については、音韻、動詞活用、形容詞などの基礎的な調査とともに、島尻、大浦集落において、疑問文の調査も行った。これらのデータは、整理され次第、公開していく予定である。 今年度の成果の公開としては、二本の論文と、二件の学会発表がある。論文は、例示のヤラの歴史変化についてのものと、「話者指向性」という概念についてのものである。前者は、疑問文からの派生という点で、本研究課題の対象の一つであり、後者は、直接の対象ではないが、疑問文の歴史変化を考える上で重要な概念である。学会発表は、大阪方言の終助詞ネンについてのものである。この助詞は、普通の疑問文にはならず、反語や非難のニュアンスがあるときに疑問文化できるという特徴を持ち、疑問文の一般的性質を理解する上で重要であると考え、研究を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

データベース化については、一年間で近世までを予定していたが、一作品から採取する用例数を倍に増やしたため、今年度は室町時代までしか進まなかった。とはいえ、疑問文を採取する量から言えば、当初の予定通り進行していると言える。また、琉球語宮古島狩俣方言の調査については、順調に進み、全体的な文法の記述がほぼ終るところまで来たので、24年度の成果として公開できると思われる。成果の公開についても、二本の論文と学会発表を目標としていたが、その計画の通り達成された。よって、全体としては、順調に進んでいると言える。

Strategy for Future Research Activity

23年度は、室町時代までの疑問のデータ入力を終えたので、24年度は、江戸時代以降の疑問文のデータ入力を行う。また、室町時代以前であっても、追加調査が必要になった分について、データ入力をする。これらのデータをもとに、日本語の疑問文の歴史変化について、論文を執筆する予定である。 24年度は、琉球語宮古島方言の調査を3回予定している。疑問文の調査は、宮古島北部方言の狩俣、島尻、大浦、南部方言の新里で、それぞれ追加調査を行う。また、狩俣方言については、談話も収集し、談話の中で疑問文がどのように使われているかについても研究を進めていく。宮古島諸方言の疑問文についても、24年度中に、論文にまとめることを目指している。 成果の公開としては、既に投稿を行っている、間接疑問文の歴史、及び大阪方言の終助詞ネンにいての論文がある。これらについては、今後書き直しがあるかもしれないが、24年度中の公開を目指している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

繰越金の発生理由昨年度は、宮古島方言の調査を二度行う予定であったが、予算の減額の可能性があり、10月まで出張を控えていた。結果、10月から11月にかけて、調査を一度行ったが、宮古島では、1月~3月は、キビの収穫の時期で調査ができないため、二度目の調査は断念し、24年度に予算を回した方が良いと判断したため、202059円の繰越金が発生した。使用計画24年度は、現地調査の回数を増やし、繰越金を含む、602059円万円を出張経費として計上する。その他の使用内訳としては、撮影機材の購入に10万円、図書費に20万円、データ入力アルバイタの雇い入れに、20万円を予定している。以上で1102059円の予算を計上している。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 日本語の話者指向性について2012

    • Author(s)
      衣畑智秀
    • Journal Title

      福岡大学日本語日本文学

      Volume: 22 Pages: 93-104

  • [Journal Article] ヤラにおける例示用法の成立2011

    • Author(s)
      岩田美穂・衣畑智秀
    • Journal Title

      日本語文法

      Volume: 11-2 Pages: 60-76

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Discourse update and paratactic association of particles and intonations2011

    • Author(s)
      HARA Yurie and Tomohide KINUHATA
    • Organizer
      Sinn und Bedeutung 16
    • Place of Presentation
      Utrecht University
    • Year and Date
      2011-09-07
  • [Presentation] Osaka Japanese Nen: One-sided Public Belief and Paratactic Association2011

    • Author(s)
      Yurie Hara and Tomohide Kinuhata
    • Organizer
      Workshop on Formal Approaches to Discourse Particles and Modal Adverbs
    • Place of Presentation
      Slovenia
    • Year and Date
      2011 – 812
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.cis.fukuoka-u.ac.jp/~tkinuhata/project/kaken2011/

URL: 

Published: 2013-07-10  

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