2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23720229
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
衣畑 智秀 福岡大学, 人文学部, 講師 (80551928)
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Keywords | 疑問文 / 日本語史 / 琉球語 / 間接疑問 / 例示 |
Research Abstract |
本研究は、日本語史の記述から一般言語学への貢献を目的としている。日本語史の記述としては、得られたデータを客観的な基準で分類し、今後の日本語史研究でも利用できるようなデータベースの公開を目指している。また、言語学的な貢献としては、琉球語との対照も行い、歴史変化を形式の交替としてではなく、話者の文法知識の再編として説明する。 このような目的のもと、今年度は、昨年度に引き続き、疑問文のデータベース化及び琉球語宮古方言の調査を行った。疑問文のデータベース化については、大学院生をアルバイタとして雇い、これまで調査していなかった今昔物語集、天草版平家物語、近松浄瑠璃集などのデータ入力を行うとともに、これまでに整理された直接疑問文、間接疑問文のデータを、http://www.cis.fukuoka-u.ac.jp/~tkinuhata/project/kaken2011/に公開した。琉球語宮古方言の調査については、狩俣方言の談話の収録とその書き起こしに加え、下崎方言、西里方言、新城方言、野原方言、新里方言の疑問文の追加調査を行った。 今年度は最終年度に当たるため、これまで行った調査を元に、日本語の疑問文の歴史変化に関して学会発表を行い、また論文を二本執筆した。論文の一つは、上に述べた公開データの内実を詳しく説明したものであり、もう一つは、そのデータに基づいて、日本語の疑問文の変化の一般的な方向性を明らかにしたものである。また、琉球語宮古方言については、北部の狩俣方言の音韻と文法の全体像を描いた論文を執筆した。
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