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2011 Fiscal Year Research-status Report

格体制の交替現象に関する日英語の対照研究-動詞の意味の階層性に着目した分析-

Research Project

Project/Area Number 23720231
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

川野 靖子  埼玉大学, 教養学部, 准教授 (00364159)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords壁塗り代換 / 格交替 / locative alternation / 動詞 / 意味論
Research Abstract

本研究の目的は、日本語と英語にみられる、「壁にペンキを塗る/壁をペンキで塗る」「spray paint on the wall / spray the wall with pain」のような格体制の交替現象(いわゆる「壁塗り代換」、及びlocative alternation)が、どのような仕組みで起こるのかを明らかにすることである。 初年度に当たる本年度は、理論的考察の前提となる用例調査と現象の記述を中心に研究を進めた。具体的な内容は次の二点にまとめられる。 1、英語のlocative alternationに関して、用例調査を進めた。調査資料には、コーパスや各種辞書を活用し、英語母語話者による先行研究も参照した。また、体系的な記述を目指して、locative alternation以外の関連する交替現象についても上記の方法で調査を実施した。 2、日本語の壁塗り代換に関して、従来の研究で手薄であった自動詞文の代換を分析した(例:グラスに水が満ちる/グラスが水で満ちる)。その結果、交替を起こす自動詞には「位置変化としては依存的転位を表し、状態変化としては総体変化を表す」という意味特徴が見られ、その点で交替を起こさない自動詞と区別されることが明らかになった。これは、川野(2009)で指摘した、交替を起こす他動詞の特徴と共通するものである。よって、川野(2009)及び今回の分析により、日本語の交替動詞の条件が、自他の違いを越えて統一的に記述できたことになる。以上の成果を論文にまとめ、『香椎潟』第56・57合併号(福岡女子大学国文学会)に発表した。引用文献:川野靖子(2009)「壁塗り代換を起こす動詞と起こさない動詞―交替の可否を決定する意味階層の存在―」『日本語の研究』第5巻4号、日本語学会

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、英語の用例調査と日本語の現象の記述を行い、次年度以降に計画している、交替のメカニズムに関する理論的考察に進むための準備を整えることができた。よって「おおむね順調に進展している」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

次年度より理論的考察の段階に入るが、説明力の高い理論を構築するには豊富なデータの存在が前提となるので、用例調査も引き続き並行して実施する。また、日本語学・英語学・及びその他の言語研究でなされてきた研究と、本研究代表者の理論とを詳細に比較検討することで、理論の妥当性を高める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

日本語、英語、及びその他の言語の交替現象を扱った研究書の購入費や、分析に際して必要な言語情報を得るための英語コーパスの使用料が主な経費となる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 壁塗り代換を起こす動詞の特徴―現代日本語の自動詞を中心に―2012

    • Author(s)
      川野靖子
    • Journal Title

      香椎潟

      Volume: 第56・57合併号 Pages: 1-14

URL: 

Published: 2013-07-10  

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